大友良英 4デイズ 8連続公演 初日 夜の部 - Voices and Echoes

今年も大友良英がピットインで昼夜の2つのライブを四日間・・・。しかもどれも違う事をやるので、まあこれは大友という世界屈指の色々やるミュージシャンだから、だと思う。今日は初日。昼の部の、あの美しい阿部芙蓉美も見たかったけど、まあ仕事あるのでそっちは諦めた。
1stは鈴木昭男のソロ。鈴木さんは何年か前にSDLXでJim O'Rourkeとのデュオを見た。自作の変わった楽器を扱う人。で、最初は紐のような絃が2本ぶら下がって缶みたいなのにつないだヤツ。これを摩ったり弾いたり缶みたいなところを叩いたり。する。なんか、これを大勢が静かに見守っているというのも、何も知らない人から見ればヤバい画なんだろうな、とか、思うのだけど、こういうのをなんかマジマジと聴いてしまう悲しき客席。次はデカイ糸電話みたいなやつ。1人では出来ないという事で、客席の女性が片方を持つ。これも鈴木さんが摩ったり声を入れたりして、その音と伝わった側から聴こええる音と、伝わるまでの音とがあって、なんか電気的に処理されたかのような音になったりして、って、まあ曲ってのとは違う音を、飽きもせず聴き続ける悲しき客席・・・。最後はメスシリンダーを何本か横に並べて音階を付けたようなヤツがメイン。なのでここは結構音楽してて、展開がミニマルになってて、嬉しくなる悲しき客席・・・。
2ndは吉増剛造と大友のデュオ。この組合わせは以前見ているのだけど、その時も開演予定時間まえからステージに上がってなんかパフォーマンスをしていた吉増さん。今回も休憩時間にステージでセッティングか?って思っていたらいつの間にかパフォーマンスを始めていた・・・。吉増さんは紙を扱って音を出したり、床をハンマーで叩いたり、楽器でもないもので音を発しつつ、朗読も始める。大友はギターとターンテーブルで間のあるインプロの音を持ち込んで、これらが重なり合っているのが適当な感じに思えないでもないのだけど、多分そうじゃなくて、ちゃんと考えて音を出している。それをマジマジと見つめる悲しき客席・・・。
しかし、この悲しき観客であるオレ等は、こういうライブに出会った事でニヤニヤを増してしまう。今夜のあれは一体なんだったのか?とか、考えてもいいけど多分考えない。ホント、不思議と何も考えてなくて、今も単に見たものを少し書いているだけでしかなくて、で、またこのライブがあれば、何も考えずに足を向けてしまうと思う。