Marginal Consort

前に見たのはいつだっけ?と、思ったら、なんと5年前の1回だけ、だった。なんとなく3回ぐらいは見ているつもりだったので、自分で驚いた。その1回は、今夜と同じスーパーデラックスで、小沢靖氏が加わっていた最後の演奏だった。小沢さんの演奏はそれしか見ていない。不失者としての演奏は見ていない。ので2日前、同じSDLXで不失者を見たのだから、なんか凄く変な気分というのが本音。
マージナル・コンソートは、今井和雄、越川T、椎啓、多田正美による3時間ノンストップの即興演奏。3時間という事と、即興演奏という事、は、まあ、客側にとってはビビるようなやり方なのだけど、しかしこのライブは実はそんな事なくて、即興の場で、これぐらい緩く音楽を聴く事はない。まあ、とにかく、気合入れても無理。持つはずがない。ので、緩く接する。誰が何をとか、あまり意味がない気がする。なんか凄く宇宙っぽいな、と。思った。宇宙に音があるとしたらこんな音なんじゃないか?って思った。宇宙っぽい音楽って事のRovoとか、デトロイト・テクノとか、そういうのあるけれど、そっちはどちらかと言うとSFな宇宙。マージナル・コンソートはそことは違って、真空の中に音があるとしたらこんな風に動き続けるんじゃないか?って、想像させる。
色んなライブがあるのだけど、このライブほどその場というのが重要、と思わせるものもない。公式非公式入り混じってあちこちで映像が撮られていたのでそれを目にする場はあるのだろうけど、多分それでは殆ど伝わらない。勿論音源も伝わらない。のでオレはマージナル・コンソートのCDは持ってないし、買う気になれない。あの場で接する事で、3時間の即興という音がなんなのかわかると思う。あちこち動き回ってその音を確認してもいいし、定点で音を聴き分けるのもあり。客席も、演奏者の邪魔さえしなければ緊張感の要らない自由がある。というの、実はあんまりないんだよな。