まぶしい いたずらな祈り

渋谷WWWで不失者。灰野敬二のライブは時々見れている。なんか、個人的にはいい間隔で見る事が出来るのだけど、不失者はそうもいかず、そうこうするうちに小沢靖さんが逝去してしまって、不失者のライブってもしかしたらもう無いのかも知らん・・・、と、ちょっと後悔したりしてたのだけど、再始動したのを知って、そして今年の1月、東高円寺UFOでライブを体験。あれは結構ヘヴィーな経験になったけど、ベースにナスノミツル、ドラムに高橋幾郎を従えた音は、インパクト。あのヘヴィーな音は新しい不失者がオレにとってのその名のバンドとして、嬉しいぐらいだった。が、『ドキュメント灰野敬二』の前夜祭的なライブで面子が変わっていて、それが一時的なのこのバンドの面子は流動的なのかその時は知らんかったけど、結局はベースが亀川千代でドラムがRyosuke Kiyasuというのが、今の不失者、と、なった事を知った。しかもその理由、まあ、いいか。
まずは前座でやくしまるえつこ。8940はオプトロンのおもちゃみたいなのを扱いつつ朗読。ドラムも従えていて、オプトラムじゃん・・・、って、思った。
して不失者。前にここでSachiko Mとセットを分けた灰野のソロを聴いたのだけど、その時の印象から、灰野とWWWは相性がいいと、思っていた。これが不失者というバンドで演奏する事で、あのソロとは違って爆音のみではなく、隙間のある骨格だけの時間なんかもあって、圧倒的に音の中に放り込まれてうぷうぷするという感じにはならず、なので起伏も含めた演奏。最初の曲はUFOの時の最初と同じ曲だと思うのだけど、あのビートとベースの緊張感は、まあ、あの時ほどのは今夜は感じなかったけれど、その分、なんか、演奏がオープンになったと思う。チケットに思いっきり「オールスタンディング」と書いているのに実際はシートもあるというWWWが時々やるだまくらかしが今夜もあって、それなら早めに来て着席を目指したほうが良かったかも知らん、と、最初は思ってた。が、今夜はUFOの時よりも余裕があるし、一旦帰宅後の足向けなので、財布と折り畳み傘とスマホとタバコという気軽な状態ってのも良かったのかも知らん。まあそんなで、演奏を聴いていて、不失者ってロックだな、と、思った。アヴァン含みとかそういう事をあまり思わず、これはロックだ。と。もちろん爆音だしノイジーなとこもあるしアヴァンなアグレッシヴもあるのだけど、根底はこれはロックだ。まあそう思うのは『ドキュメント灰野敬二』というある種の謎解きを見たことも影響している。けど少しの余裕を持った状態でこの音を聴いていると、ロックにしかないキャッチーなリフとかが印象的で、このバンド、もしライバルを置くとすると、Nirvanaじゃないか?って、思った。
最初の1時間、多分3か4曲ほどで、それが等分された長さで演奏された印象なのだけど、その後の1時間は30分ぐらいの演奏を2曲かまされたと思う。なんかこういう音でこの長さの演奏を聴いたのかって、ちょっと信じられん。して5分ぐらいの短いのかまされて、演奏が閉じる。時間をチェックするとまだ22:00。そうだよな、オレ、まだまだ余裕な気分で、あと1時間ぐらい、いけるのだけど、、、と、アンコールを粘ったのだけどそれは無し。ぶっ続けで2時間って、普段なら満腹だけど、今夜はもうちょい、聴きたかった・・・。と、物販で新譜の『まぶしい いたずらな祈り』を購入。まあでも当面これを聴きたい気分にはならんよな。しかし、鞄無しでこのCD持って歩くの流石に変な感じなのでカウンターにあるチラシを取る。これにCDを挟む。で、そのチラシに、12/21にスーパーデラックスで不失者ってのがあって、これはオレ、どう考えてもいくな・・・。と、思いつつ、帰宅。