長月の宴

アースドムにもちょっと興味を引かれつつ、が、クラシックス八木美知依トリオ。八木さんの名前でトリオ編成って、固定されているようでそうでもなかったり。ここ数年は、MYDTの面子を組み合わせてって感じで、今夜はベースにTodd Nicholson、ドラムが田中徳崇。
1stののっけ、八木さんが21絃箏で音数の少ないヤツ。いきなりヘヴィーがきやがった。ちょいニヤニヤした。なんかここで、EORを引き摺ってたの、解消。全く違うからそうなる。もちろんその後は大きく展開する。田中とNicholsonを聴く機会ってのは、ほとんど八木さん絡みなのだけど、あまり回数が多いとは言えず、なんとなくその音を知っている気がしてるのだけど、んー、今夜の田中のドラムは今までで一番インパクトあった。ジャズ的だけどジャジーじゃないって言うか、それの言い方を入れ替えてもいいのだけど、最初に聴いた頃の華奢から少し厚みが増しているし、クールな趣とは違った音の入れ込み方、つい数日前にPNL聴いたけど、その後の耳でこういう場でドラムを聴くってちょっと不利だと思うのだけど、田中の、面白かった。演奏はあくまでも曲なのだけど、そこのところの自由度を八木さんの曲というかやり方は高くしていて、そういうところで聴く音って、色んな意味でのスキルが重要で、田中のそれ、面白かった。
Nicholsonは若干トラブル含みだったけど、消えるところと出るところ、ベースって楽器の一番重要なそのところ、それが意図的なのかそうじゃないかは知らんけど、まあそこのところちゃんとしてて、出るときのあの太い音でかますリフ、がたまらんけど、それより何より、2ndの「十六夜」の終盤でのアルコの抑え目だけどハッキリとフリーキーなやつ、ヤバかった。あーこのセンス、スゲーなって、なる。
メインの八木さんは、、、めんどいので端折る。ってわけにもいかんか。今夜は熱だけでやっていいライブじゃないので、ある意味八木美知依という演奏家の持ち味を全部持ち込んでいたように、見えた。ので、当然、箏という楽器の持ち味の音色と、エフェクトでアヴァンして箏とかってより弦楽器でしかないってな展開。真っ直ぐに歌い切ることのできる歌唱。調弦の為になんとか場をつなごうと努力するMC・・・。あーまーそれはいいか。しっかし、箏って楽器でNick Drakeの「River Man」をまったく違和感なく独奏で聴かせきるとか、ヘラヘラしてしまうし、かと思うとColtraneもかますし、1つのライブでの振り幅半端無い。閉めが「Rouge」ってのも、やっぱこれだよなあああ、と、思った。
明日はこのトリオでおフランスのTVの撮影に参加するらしく、って事は今夜のライブはリハだったのかも知らん。んー。