Mats Eilertsen “SkyDive” 北欧ジャズ現在進行形

日付は変わってしまったけど、今夜はピットインに足向け。Mats Eilertsenの演奏を聴く為の足向け。
前座、で、ヴァイオリンの太田惠資とギターの今堀恒雄、そしてピアノに佐藤允彦という組合せ。この3人でワンマンでも、ぜひ、見たいだろこれ。ってなもん。で、インプロ。真ん中はやぱり太田、と、思う。エレアコな音とエレクトリックなのと、ヴァイオリンの自由と端正なの、かます。が、見せ所で佐藤さんのピアノがフリーキーにかます。いやこの人、見た目優しそうないい感じの高齢のオニーサンなのだけど、CDの近作とかはどうも触手をそそられないのだけど、こうやってたまにめぐり合うセッションでの音を聴くと、ホント、参る。す。でいヴィす。いや、Milesは全くカンケー無い。インパクトはホント、残る。自分のグループじゃない佐藤さんのセッションのライブ、その名義で、見たい。そして今堀は、2人を見つつ、少し控えめだけど、やってのはマジ色々で、やっぱ演奏者としてのスキル、音楽的なスキル、半端なかった。控えめにそれかますからまたこれがまた、だ。アラビックなフレーズの入れ込みとか、ヘラヘラする・・・。3人でのインプロ後、今夜の主役、アコベのMats EilertsenとサックスのFredrik Lundinも加えて、インプロ。この両者が流石の音色を持ち込んで、3人の時はジャンルレスだったのを、フリージャズなインプロという色に変化。
休憩後、Mats Eilertsenのグループ。Eilertsenは気になっていたけれど、ここ数年のCDなんかは聴いてない、ので、こういうユニットでのやりかたは全く想像つかなかったのだけど、始まって、で、なんか、どうしようかと思うけど本音を書くと、「は?」だった。勝手な期待とは違った、オーソドックスなフュージョンというか、スムース・ジャズというか・・・。ジャズの毒が見当たらないその曲と演奏に、曲が終わっても拍手の気力も無い・・・。まあ勿論、周りの皆さんは盛り上がってる・・・。これは困ったな、って、もしかしたら最初の曲だけこの感じ?って思ったのだけど、残念ながら、その印象を変えてくれない。あー、しまった。これが良いとか悪いとかそういう事を言うのは違う。が、残念ながら耳の穴を広げたいと思っているけれどこれはちょっと無理だった。あーしまった。勿論こういう音楽を聴きたい時もないわけでもないのだけど、でもこういう音楽を個人的にはライブの場では求めていない。んー、これを聴かせたくてこの北欧ユニオンな面子はわざわざ日本に来たのか?とか、帰ろうかな・・・、とか、思ってた。が、セットのラス前の曲、ここで突然不穏とアグレッシヴを伴った演奏。いきなり聴く姿勢が変わってしまった。ついこの前の曲までとは、曲もやり方も変わっている。何だこのバンド?、って、思った。そしてこのセットで初めて拍手をした。更にこの次のセットを閉める曲のリリカルも、前の曲があったからかどうかわからんけど、なんか、浸ってしまう・・・。
アンコールも良かった。あー、あのセットの終盤に差し掛かるまでのあの演奏は一体なんだったんだろう? なんでこんなに違う表現を1セットでかますか?、と、思い、物販で最新作でも買おうかと思ったら、¥2,500と・・・。Bushman's Revenge & Team Hegdalのライブで買ったCDは1枚¥1,500だった。ちょっとこれは、支払う気にはなれなかった・・・。
しっかしまあ、1セットでこれだけ気分を変えられるのも珍しい。大体、セットで気分とか感想は変わるもんなんだけどな。まあそれはいいか。でもそれはどうか?って思うのは、ライブのタイトルの「北欧ジャズ現在進行形」っての。んー、つい最近Team Hegdalを聴いたせいだと思うけど、現在進行形の演奏者が揃っているという意味以外に、この音楽のスタイルは現在進行形があてはまる箇所は見当たらなかった。まあそれは、オレの耳の問題の可能性高いけど、でもこれは本音。