渋谷毅オーケストラ

渋谷オケは、いつか見るいつか見るいつか見ると、いつも思ってた。タイミングがあえば見ようと。まあ、それって若干言い訳含みだなあって気もするのだけど、それと、割と定期的にピットインでライブしているので、まあ今回じゃなくてもって、感じになってた。それこそレコ発とかのイベント含みだと足向けしやすいのだけど、そういう事も無く。で、気付くと渋谷さんのライブを3年ほど見ていない・・・。じゃあまああれだ、ここがタイミング。
久々に面子のコピペ。
渋谷 毅(P,Or)峰 厚介(Ts)松風鉱一(Sax,Fl)林 栄一(As)津上研太(Sax)松本 治(Tb)石渡明廣(G)上村勝正(B)外山 明(Ds)
この中で松風さんのみ、ライブで音を初めて聴く。それ以外はライブで音を聴いているけれど、結構久々も多い。
オケは苦手な編成というのがあって、そういう意味でちょっと不安もあったけど、それ即、払拭。ジャズのオケ、という範疇でガッツリと練り上げられた音になっているのだけど、それってこんなに聴かせる音楽だったか、と、思ってしまった。これはアヴァンな方を重視してしまっているツケ。だと思う。練られたアレンジと、手持ちの楽器を鳴らす事で音楽をしてきた奏者の音の芳醇。肉感的なフルートと、ちょっと変わったラインをとる松風さん。ジャズのテナーってのはこういう事って音で決める峰さん。6管も揃っているのにラッパが無いのは松本のボントロがそれを兼ねてしまっていたりする。ソプラノとアルトで、濁りの無い音をかます津上。オレがライブで聴いた音で最もDolphyを内包している林。シングルでもカッティングでも、表の時も裏でも、ジャズのギターってのの自由さを感じる石渡。エレベなのにアコベの様にベースを響かせる上村。明らかに異端なドラミングの外山。これらを鼓舞とは違うやり方でコントロールする渋谷さん。そんな感じで石渡や松風、林といったバンド内の面子の曲と、Carla BleyDuke Ellington、そして、この面子でWRというかJacoの「Three Views of a Secret」が・・・。
まあ当然なのだけど、各々のソロがそれぞれのやり方。なので、隙間がなかなか無いのだけど、上村のベースがそこをより埋めるというやり方じゃないのが、全体のバランスになっていたと思う。ほんと、ここがエレベの音圧でゴリゴリしていたらバランスが無かったと思う。しかもドラムが外山だし。しかし、こういうバンドでドラムを外山に任せるっていう渋谷さんのセンスは尊敬に値する。オレの知る限り最も変態なドラム。それがオケのドラム。勿論大人しくジャズなドラムをかましたりはしなくて、あの、外山なドラム。あー、なんだろな、このバンド。それがなんでもないように演奏を進める。渋谷さんのリリカルなピアノが、また、良い。それと、シンセなのかオルガンなのかわからんけど、小型のキーボードを扱っていて、これを効果的に入れ込む。なんかMilesのあれっぽくもある。
本編終了後、渋谷さんは引っ込まずに、ピアノの独奏。ここまで濃いのかまされて、最後に渋谷さんの独奏。あー、また、参ってしまった・・・。