芳垣安洋 4DAYS - 初日 - 緊急指令発動!!!「Emergency!」

芳垣安洋 4DAYS』、6月のピットインでは、恒例という感じがする。初日はEmergency!。前に見たのは2年前の4daysか。まあ、ここ5年で5か6本しかライブしてないって事なので、仕方が無い。芳垣に加えて、ギターに大友良英と斉藤”社長”良一の2人、ベースが水谷浩章
さて、覚えてるか・・・。1stはDuke Ellingtonの「Creole Love Call」、Benny Goodmanがお気に入りらしい「Sing Sing Sing」、芳垣のオリジナル「Run and Run」。2ndはCharles Mingusの「Better Git Hit in Your Soul」、同じくMingusの「Fables of Faubus」、Roland Kirk の「The Inflated Tear」、またしてもMingusの「Jelly Roll」。アンコールにBurt Bacharachの「I Say a Little Prayer」、だったと思う。
社長を抜かしてみると残り3人はONJTなわけで、どちらもフリーなジャズなのだけど、リーダーが変わるとやる事が変わる。1セットでほぼインプロ気味なONJTと違い、Emergency!はそれよりも曲重視。そしてアヴァンの感覚は時々大友に任せて、社長のブルースを下敷きにしたと思えるやばいギターがサイケデリックに響く。社長のギターはホント、カッコいい。正直な話、このバンドではオレは徹底的に社長の音を追う。それぐらい社長のギターが好きなのに、このバンドでしか演奏を聴いていない・・・。もっと機会が必要だと、思う。
とはいえ、勿論大友も持ち味を存分に聴かせる。大友のアヴァンを一応ジャズな型に持ち込むわけで、それはかなり突飛ともいえるのだけど、そこはあれ、水谷のアコベが薄く、だけど思いっきりジャズした音でバンドをキープする。芳垣はまあ、行ったり来たりするのだけど、強烈なところのビートは半端無い。あー、マジ半端無い。語彙が、やっぱ、他のドラムよりも多い。それが突如パワーヒッターを化して叩くのだから、そら、半端無い。
一応Emergency!はジャズって事になるのだけど、まあでもこのバンドは、アヴァンなところが得意な人でもかなり耳が引っ張られると思う。ジャズってどの音楽よりもパワフルなんだなとか、思うかも知らん。そういう演奏と、「The Inflated Tear」での音響的な音を扱うインプロ部の美しさがヤバイ。「The Inflated Tear」はそもそも曲が自体がかなり美しく、のだけど、Emergency!のバージョンは、それをこの面子でしか引き出せないものに変化させていて、でも、そこにちゃんとKirkがこめたソウルも感じる。