芳垣×Shanir Blumenkranz セッション

なんとなく色々とライブのスケジュールをチェックする。見逃しそうなの無いか?、と。まあ、見逃して、そのまま知らんままなら経済的には助かるけど、見逃して、後で知って「えええ?」ってなるのが一番苛立つ。で、クラシックスのスケジュールで、『芳垣×Shanir Blumenkranz セッション』を見つける。んー、こんな予定あったっけ?って思ったけど、まあそんな事はいい。
事前のチェックが甘くて、Shanir Blumenkranzという人の経歴を全く知らない。国籍もわからん。演奏前に芳垣安洋がなんとなく名前を紹介していたけれど、よくわからん。が、まあそれはそれ。Blumenkranzはなんか琵琶っぽい、ショート・スケールのギターの様な複弦楽器を演奏する。ボディに目みたいなのがあって、それがゲーラ・カイトに見えるし、宮崎駿の作品に出てくる生き物のようにも見える。音色はやっぱギターな感触。でもラインはちょいエスニック含み(この楽器はウードでした)。そういう音に、芳垣のドラムセットなパーカッションと、高良久美子ヴィブラフォンなパーカッションが、ピタリと音を合わせる。あー、音色が合うって、気持ちがいい。即興なセッションだけど、そこでピタリと音色が嵌ると、そこからどこに音楽が向こうが、こちらの耳が追いつける。その後Blumenkranzはアコベに持ち替え、さらにエレベも扱う。アコベの音色はジャジーを一瞬見せつつ、でも違う。この3者の絡んでいく感じが、クラシックスというハコにも上手くあてはまる。ニヤニヤしてしまう。方便な芳垣の音も、この感じはちょい久々な気がする。高良さんの端正だけど芳醇な音の羅列が後ろから前から。Blumenkranzはアコベを両手に弓を持って弾いて見せたりなんていう、ちょっと他には見たことの無いアプローチを持ち込みつつ、エレベではエフェクトでアヴァンを挟み込んだりしつつ、でも音楽のベースに中南米的で中東のようでエスニックなのを持っていて、それが素直に出てきたりする。あーそーか、この3者の演奏が絡みまくるのは、共通して歌心ってのが音に出ているからだ。と、思った。んー、気付いた、か。芳垣のビートにそれを感じたとき、気付いた。音楽ってのが自由だという事が、ハッキリとしていたライブだったと思う。