John Abercrombie TRIO

正直な話、ECMというレーベルを毛嫌いしている部分がある。時々その事はログにしているのでここでまた書くのはめんどいので端折るけど、そういう性格なので、ECM色が濃いミュージシャンは、何かのタイミングが無いと耳にしない。John Abercrombieなんてのは、まあ、ECMの代表的っていってもいいギタリストなので、近年まで全く耳にしてなかったのだけど、たまたまFtarriだったか、内橋和久のちょっと古いインタビューを読んで、Abercrombieから影響を受けたという事が書いてあって、タイミングになって、1枚CDを買ってみた。けど、正直、あまりはまれず、結局そのまま。けど、今回の来日がピットインでのライブとあって、近年この手のミュージシャンのライブはライブハウスじゃなくてライブレストランが主なので、なんか珍しいと思い、なら、と、足向け。けど、セット毎のチケット設定で、価格もライブレストラン並みって事で、19:30開演の1stを選択。
で。まあとにかく、その運指が見たい。これが本音なので、それが叶うところに座った。今回はGary Versaceというオルガン奏者と、Adam Nussbaumというドラマーによるトリオ編成。1枚だけAbercrombieのCDを買って聴いたと書いたけど、1回しか聴いてないので、どんなだったかもよく覚えていない。で、ハッキリ、ジャズ。だった。これがジャズっていう音楽。と、ハッキリ言える。Abercrombieはジャズギタリストらしからぬ、テレキャスターを使う。右手は徹底して、親指のみでピッキング。時折、コードワークとはカンケーの無いコード音の装飾はあるけれど、シングルで音を弾く。流麗。そんな音の粒。それに釘付けになる。あー、これがジャズのギター。緊張感みたいなのはあまり感じなく、とにかくジャズのギターを、聴く。Versaceのオルガンがアコベな様なベース音をキープしつつ、ソロの場ではオルガンらしい音色で音を並べ、Nussbaumのドラムはこの編成には少々派手気味なのだけど、といってギターとオルガンの邪魔になっているわけではなく。ジャズ好きのつもりではあるけれど、こういう、どジャズ、に対する回数は少ない。それを今夜で補ってきた。んー、アヴァンとかフリーとかのジャズは勿論好きだけど、そこだけしか知らないと、結局耳の狭い結果になるなあ、と、反省。
終演して、CDが売っていて、ECMからの新譜『Within a Song』なのだけど輸入盤で¥2,500は微妙だなあって思ったのだけど、購入するとサイン会って事で、んー、これは、今回ライブレストランじゃなくてピットインにライブを持ってきたマネージメントにも敬意を表す意味で、CDを購入。勿論サインも貰った。