新宿Extacymphony <珠夜>

去年もピットインであった、本田珠也と中村達也という組合せ。その時はチェロの坂本弘道がゲスト扱いだったけど、今夜はピアノのスガダイローがゲスト。
ドラムが2つとピアノが1つという、まあ、なかなかな組合せなので、1stは組み合わせつつとか思ったら、トリオで2つの演奏。で、めんどいので1stの感想は端折る。まあ、休憩の時に、1stでこんなにやっちゃって、2ndどうするんだろう?、と、思った。
して2nd。まずは本田と中村のデュオ。両者の違いはハッキリするのだけど、どちらかが特に印象に残る、とはならない。正直、ドラムを叩く人としてのスキルは、本田が大体の部分で余裕を持っているのだけど、中村がそこからちぎれなくなっている。真面目な話、中村がピットインで演奏するようになってから、大体その演奏は聴いてきた。勿論、SDLXでの演奏も聴いてきたし、Friction名義も当然。まあとにかく、その最初期のピットインでの演奏から、ここまで伸びしろがあったのか、、、ってぐらい、が、今の中村。ホント、数年前なら完全にちぎられまくってたと思う。けど、今の中村は千切れないどころか本田に刺激も与える。ガチガチなセッション。
スガが加わって、2nd2つ目の演奏。ここが半端なかった。溢れてこぼれるビートの中でのスガのピアノがモノ凄くカッコよかった。なんか、60年代とか70年代のCecil Taylorがこんなだったんじゃないか?ってな音の羅列。オレはあまり手数の多いピアノを好まないのだけど、スガはそのタイプで、唯一って言っていいぐらい、あー、それはちょっと大げさだけど、でもライブで聴いたその手のピアノを弾く人の中では、間違いなく最も耳を惹かれた。日本人のこのタイプで、ドシャメシャしないってのが珍しい。まあとにかく、今夜のスガの演奏は、タマタツのビートとタメを張ってた。こんなに色気の無い楽器編成で、ここまで引き込まれるとは思わなかったな。
2ndの最後はロックなビートを持ち込む。今夜は本田の土俵なわけだけど、そこに中村のスタイルを重視したビート。が、ここで逆に本田の音の強さが際立つ。が、それでも果敢に叩く中村。その上を、ミニマルか?ってぐらいに印象に残るフレーズを繰り返すスガ。ってことで、2ndが凄すぎだったので、1st忘れた。
アンコールは3分だけって事で、それでも長いとクレームをつける達也という構図をみせつつ、ここまでで一番フリーなスタイル。こんな感じで過激に締めるってのも、この組合せだから、まあ、そうだよな。