FOOD JAPAN Tour 2011

1年前に来日予定だったFood feat Nils Petter Molværは、1年前のあの時期らしく、311の影響で来日中止になった。けど、結果的に延期か。ECMからリリースされた『Quiet Inlet』は、NPMとFenneszがフィーチャーされたアルバムだったけど、正直、そんなに気に入ってたわけじゃないのだけど、でもとにかくNPMが演奏する姿を確認できるという事は、北欧のジャズが根付いた状態だからこそ、結局この人が出てきた事でそうなったと思っているので、まあとにかく凄く重要な人だと思う。ので、それをピットインで確認できるって事で、まあ実は個人的には今のところ今年最大の期待というか、なんていうか。
FoodはhumcrushのドラムのThomas StrønenとIain Ballamyというサックス吹きのデュオなユニット。この2人にNPMをフィーチャーして1stセット。NPMがエレクトロな音を扱うのはまあわかるのだけど、Ballamyもそれを扱い、更にドラムのStrønenまでそういうものを扱う。まあとにかくNPMが気になる。映像すら見ていなかったので、下向きにラッパを吹く姿がカッコよくて、ニヤニヤしてしまう。ジャズ系とされる奏者だけど、そういう範疇をは違って吹き散らす事が殆ど無く、エレクトリックで装飾したラッパの音色でコントロール。あーやっぱ、Milesを思う。Milesを継いでいるのはこの人だけな気がする。時々ラッパの先につけたエフェクトするためと思われるコンタクトマイクにヴォイスをあてるのだけど、そういうのまでなんか絵になる。
テナーとソプラノを扱うBallamyは、テナーの時は朴訥とした印象すらあるのだけど、ソプラノをエフェクトと絡めて鳴らすときは今夜一番アグレッシヴな音にしたりする。サックス無しで卓モノを扱う事も多く、印象に残る。
Strønenは、ドラマーなのにエレクトロニクスと言うか、モロにリズムをそれでループさせたりしながら、生音も当然絡めるのだけど、この人のビートのセンスは、ジャズ系のそういう人達と違ってて、インプロ系の人達とも勿論違ってて、実はかなり面白かった。この人の叩きのベースはラテンなパーカッションだと思う。バスドラの印象が全く無いんだよなあ。ループもありがちじゃなくて、DTM的に攻めて組み上げたものって感じで、自分が叩き出す音とそうじゃないものと、ドラム叩きの我とか無しにやっているとしか思えん。
2ndは巻上公一が加わる。テルミン口琴とヴォーカルで絡むのだけど、巻上の持つユーモアとFood feat NPMの既存とは別枠のジャズは、相性が良いとかなんとかよくわからんのだけど、んー、色々な個性がちゃんとこちらにわかるように演奏されて、でも濃密ってのとは違う次元の音だった気がして、ニヤニヤした。
物販を利用。Foodの『molecular gastronomy』という2007年のヤツを購入。3種類あったFoodのCDを1枚でも買うとhumcrushのサンプル盤を付けると言っていたのだけど、貰ったそれ、サンプル盤といっても割愛されたものじゃなくて、ちょっと手に入れるのに時間のかかったSidsel Endresenとの『ha!』のフル盤だった・・・。ジャケットが簡素な紙製だけど、音はリリースされているものがそのままです・・・。枚数に限りがあるらしいので、これからFood feat NPM with 巻上のライブを見る方は、FoodのCDを購入される事をお勧めします。このアルバム、凄いカッコいいので。個人的にはそれがオマケされるのはちょっと複雑だけどな・・・。