BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012

初の後楽園ホールへの足向け。なんかそれだけで、ちょっと楽しみな気分。到着して、そのチープさ、良い。この古い感じが、良い。で、着いたのは開演予定の10分前ぐらいで、とりあえずビール買おうと思ってチェック。あー、結構並んでるけど、まあギリギリ開演までには買えそうだなと思って並ぶ。そうしていると、会場の扉が開いて客が出てくる。その時に、なんかビートと盛り上がっている歓声。ん?、と、思い、並ぶのをやめてとりあえず中に入ってみると、前座扱いの千住宗臣 VS 服部正嗣が丁度終わったところだった・・・。え?、前座って、開演予定の前にやるのか?と思ったけど、もう遅い。ちっ、と思いながらビールを買いに戻る。振り出しに戻ったので、なんかちょっと厳しい感じ。しかも20:00には閉店とあって、これならやっぱ絶対ビール買わんとまずい。しかしここからの3本をビール1杯では苦しい。とか考えて、カップの日本酒というのも購入。そしてすぐ中に入って座席を目指すも、場内暗転。この中ビール持ちながら歩くのは危険なので、席の近くまで行きながらも立見できるスペースに退避した・・・。ってことで、昨夜は今年20本目のライブ観賞。
まずやくしまるえつこが出てきて、リングアナウンサーの様な開会宣言。みたいなのをやってたと思う。まあぶっちゃけ、その辺は全く聞いてない。して、最初の試合、DJ KENTARO VS Open Reel Ensemble。KENTAROは言わずと知れた、DMCのチャンピオンだし、OREは少し興味深い存在だったので、それを一気に見れるのは楽しい。が、やっぱ、ビートを繰り出すKENTAROの音が気持ちよく、というか、それ以外の音は、どっちがどの音をだしているのかは、遠目の初見には判断できず。って事で、VSの判定はどうでもよく、ただ気持ちよくビート音楽を聴いてしまった。
続いて、いとうせいこう VS Shing02。この間に無事席まで辿り着くも、KENTARO VS OREの時点で、ビールは勿論日本酒も飲み干してしまって、ちょっと失敗した。あーまーいい。日本のヒップホップの開拓者であるいとうせいこうと、日本のヒップホップの革命児のShing02という組合せもいい感じ。Shing02はデビュー時から聴いてるし、ライブも1度見ているので、やっぱりいとうせいこうが気になる。開拓者と言っても、聴いた覚えは殆ど無い。お互いにDJを引き連れて、というやり方で、いとうの方にはDMXがDJとして付いていた。そのDMXのトラックといとうのフロウは、ヒップホップというよりもレゲのDJスタイルに近いと思った。で、これがカッコよかった。Shing02の如何にも今のラッパーというラップは決まりまくりだけど、いとうの癖のない性質と、ポエトリーな感じと、に、あーしまったな、TINY PANXは聴いてたのに、いとうはスルーしてたってのは、結構痛恨だったんだな。今頃気付くとは・・・。あーでも、気付いただけ、よかったのかも。
いよいよ最後は坂本龍一 VS 大友良英。まあこれがメインイベントなわけで、またしてもやくしまるが出てきて、その後2人が入ってくる。ピアノとラップトップの教授に対して、大友はテーブルトップなギター、ターンテーブル、普通に抱える様のギター、スネア、シンバル2枚、さらにドラと、こんなに色々持ち込んだ大友は初めて見た気がする。正直、常に即興しつづけている大友と、そういうタイプではない教授なので、なんとなく、大友のやり方は読めてた。し、実際、そんな演奏だったと思う。普通じゃないやり方で、音を作り上げる。ロングトーンなフィードバックなども持ち込みながらも、フリージャズ的なアグレッシヴというのは使わない。まあ要するに、ギターは音を出すけれど、所謂弾くという言い方のやり方はやらなかった。あー、結構弓で擦ってるのが多かったかな。レコードを使わないターンテーブルは当然の様にビートを繰り出さず、大友らしいノイズを再生している。教授はそこに、考えながら音を散していくという感じで、途中で内部奏法なんかもやるのだけど、その音がフリージャズのピアニストの内部奏法の音と全然違う。そして終盤には、教授のイメージでもあるメランコリックなのが出てきて、無骨に終わってくれたほうが個人的には好みだけど、でも教授がピアノを弾くという意味では、やっぱここの部分があるからこそ、とも、思った。
盛りだくさんなイベントだったので勿論満足したけど、明日は昨夜には無かったタイプのヤバいアグレッシヴを、ピットインで聴く予定。