Signals

昼休みに、今日の帰り、たまには映画でも観ようかなあと思って、でも、オレが行く映画館っていえばシアターNぐらいで。で、何やってるか調べようと思って、『シアターN』で調べればいいものを、渋谷ってつくよなあって思って、前だっけ?後ろだっけ?と思いながら、とりあえず検索ワードとして渋谷って入れたら、過去の履歴から渋谷WWWって出てきて、なんとなくクリックしてスケジュールを見てみる。と、今日の予定を見て、お!、おお!!と思って、今週はライブ観賞無しだったはずなのに、急遽WWWに足向け。
Signalsのライブを見たのは、もう2年以上前のスーパーデラックス。それ以来になるのだけど、その間にヴァイオリンの勝井祐二が抜けてギターの名越由貴夫が加わった編成へと変化しているし、昨年リリースされた『NAKED FOOL』は、昨年リリースされたものの中でのお気に入りの1枚として選んでいるので、まあ、一気に期待しまくってニヤつく。
前座で阿部芙蓉美。昨年の年末のピットインでの大友良英の4daysのとりのライブに阿部が出ると知った時は、他の面子はともかくそれ目当てで行こうかと思ったけど、まあ、ちょっと遠慮。ってことで、阿部も結構お気に入り。阿部のアンニュイだけど斜に構えてない歌声が良いし、まあ後、ルックスも、な。モデル並みって感じがする。そのサポートでピアノが江藤直子、ドラムが千住宗臣ってのも、なんか、何この出来すぎな組み合わせ?ってなもん。今日は客側に背を向けてピアノを弾いていた江藤さんも、実は阿部に負けないぐらいのルックスの持ち主だったりします。で、途中から阿部もギターを弾いたけど、アコで3つの楽器と歌だけという状態で、かつ、まあほぼSignals目当ての中だったので、客側の反応はちょっと阿部には不満があったかも知らんけど、皆聴き入ってた、という解釈でいいんじゃないだろうか? まあ少なくてもオレは、そうだった。30分に満たないぐらいのセットってのが不満なぐらい。です。でもやっぱ、この音楽は座って聴きたかった。な。
して、Signals。メンバーが入ってきて、「え?」と、思う。当然照井利幸と椎野恭一と名越のトリオ編成だと思っていたら、パーカッションとヴァイオリンとウクレレみたいなのを扱う人が加わっている。総勢6人。そうきたか!って、思う。『NAKED FOOL』のレコ発ライブなので、当然照井はベースだと思っていたらアコギで、名越がベースを担当。で、勝井の代わりに岡村美央という女性のヴァイオリン。そしてそこに色を添えるパーカッションがなんと辻コースケで、ウクレレみたいなのを弾いてるヤツがサンプラーかなんかも使っている様子。ん?、このウクレレマン、なんか見覚えが、、、って思っていたら、フルートも扱う。あ、CDMの曽我大穂だ・・・。と。前座の面子もそうだし、なんかどんどん、色んなミュージシャンがリンクしだしてきたなあって、思う。で、そんな面子でSignalsは、あの、独特な音楽を奏でる。こういう表現嫌いだけど、Signalsの音は微熱だと思う。そしてそのメロは、Bach的、と、今日のライブを見て気付いた。シンプルに映し出される映像も含めて、全部シンプルだけど、凄く独特。この言い方も嫌いだけど、映画の様な音楽。トリップでも覚醒でもない感じ。ってなっていたら、照井がベースに持ち替え、名越がエレキなギター。するとそこから、グルーヴな音楽に変化。ここからが『NAKED FOOL』だと思うのだけど、CDのそれよりも、当然ながら熱っぽくなる。音楽をこうやって変えてきたやり方にニヤニヤする。椎野のパーカッシヴな音色は、当然辻との相性もよく、しかも辻のあの強烈な叩きも出てくるようになり、曽我はハーモニカも使って管楽器的な音色を持ち込む。岡村のヴァイオリンは、勝井の様なアゲアゲとは違うのだけど、けどこのライブの後半は、Rovoを思わせるようなグルーヴ。名越のギターはロックなノリで鼓舞するし、して、照井のベースはムチの様な強さの音で、重低音で押さえ込まないその音がカッコよすぎ。いや、照井のベースは、マジでちょっと、ヤバイ。いや、このバンド全体がヤバイ。このグルーヴは、かなりカッコいい。比べるもんじゃないけど、Rovoよりもこっちの方が好み。アンコールは照井がアコギで岡村とデュオ。またこれが、あのグルーヴのあとだけに、かなり効く。全部で2時間に近いぐらいのセットだったけど、まだ、後1時間ぐらい、付き合いたかった。