不失者

小沢さんが亡くなられた時、不失者というバンドのライブを見る機会も失った気がした。灰野敬二の新しいバンドの静寂が、『Mail from Fushitsusha』という意味深なタイトルのCDをリリースした時、あー、やっぱ、もう不失者は無いんだなって思った。今までにそのライブを見なかったくせに、妙にこだわっているのは、初めて購入した灰野のCDが『寓意的な誤解』だったから。という、理由。いくつか灰野のライブは見ているけれど、不失者を見ていないのは、なんとなく体裁が悪い。が、昨年だったか、関西で不失者名義のライブがあると知って、あー、不失者を見るチャンスあるんだな!って思った。その後、昨年、東京でも不失者のライブがあったようだけど、気付かず、・・・ってなった。が、やっと、タイミングが来た。東高円寺のU.F.O.CLUBというとこで不失者のライブ。のこのこ、足を向ける。という事で、今年6本目のライブ観賞。3連荘か・・・。
U.F.O.CLUBというハコは名前は聴いたことあるぐらいのとこで、行ってみると、まあ、いかにも高円寺なハコ。で、さすがに結構混んでて、ドリンクチケットはなんとかビールにしたけど、動くと視界が色々きつそうだったので、その後はあまり動くことも出来ず。
ドラムの高橋幾郎とベースのナスノミツルが登場して、高橋の1音目が尋常じゃない大きさで、度肝抜かれる・・・。まあその後はあの大きさの音は出なかったので、多分出力のミスだったんだろうけど、それでもその後も、かなり固くて大きなビート。ナスノのベースとぶつ切りな絡みをして、えらくカッコいい。して灰野が出てくる。あー、これで、完全に不失者だな。とか思った。で、その後、まあ、強烈にハイテンションなヤバイのをかまされ続ける。ホントに続き続ける。終わったのは23:30ぐらいだったか?、まあとにかく、長かった・・・。休憩無しで、あまり動くことも出来ず、かつ、ビールの買い足しもしにくく、そんな状態で3時間以上は、正直な話、最後の方はホント、ちょっと、、、。あの状態でライブを見て、終わったときには、足は勿論、腰にまで来ていた・・・。混んでるとコートを脱いで持つわけにもいかないし、カバンは襷がけなわけで、自分の体重より10Kgほど足した状態で経ち続けると、やっぱ、つらい・・・。終わって外に出て、でも、歩くのが結構困難で、でも近い東高円寺ではなく交通費を少しでも安くする為にJRの高円寺に向かう・・・。やっと辿り着き、改札から入って、なんか、様子がおかしいなと思い、確認すると遅延発生中・・・。この時間に遅延とかありえんだろ・・・。と思い、が、もう入ったので諦めて2番線ホームに上がる。して、もう、4時間は座ってないので、とにかく座りたい。が、何故かホームに椅子が見当たらない・・・。若干絶望的な気分になりつつ、でも腹も減ったし寒いし、自販機で缶スープを買ってあったんぐわーに飲み干し、そこから結構待たされ、やっと来た総武線も00:15という時間にもかかわらず混んでるので座れず・・・。つり革を掴んで立っていると、つり革がつかめる位置にいながらそれを掴まずスマホを弄っているヤツが電車が揺れた時に寄りかかってきたりして、もう、なんか半ギレしそうなのを通り越して、「今日はいったいなんなんだ?」って気分。新宿で山手線に乗り換えた時は運よく座れて、でも10分もかからずに渋谷に着くわけで、あー、ろくに休まってないなあと思いながらマークシティーの抜けようとすると、既に閉められていて、無駄に階段の上り下りというオマケで、なんか、泣きっ面に蜂ってこういう状態か?って、思った。
あー、勿論、不失者の音そのものは、えげつないぐらいカッコよかったです。終盤近い頃にはドコア?ってな感じになったりして、結構、露骨にロックしてる部分が印象的だった。けど、当分、不失者は、いいか・・・。流石に満腹です。でも、もうちょい広いハコだったら、前言撤回とか、しそうな気分。