雪女の夜

寒風吹きすさぶってのはこんなことだろうな・・・とか思いながら、クラシックス到着。八木美知依が中心となった女性箏奏者達と、本来はアナウンサー(?)の松浦このみが朗読を担当するという、女子会なライブ。正直、なんぼなんでも場違いか?って思ったし、昨夜の不失者で耳が壊れてしまっているので繊細な音を聴くコンディションではないのだけど、こういう普段接する事の内容って、やっぱ、興味深い。なのでまあ、こそこそと見ていればいいか、と、足向け。
いつも八木さんのライブで手伝いをしてる小山ひとみと、(この子も時々いる子?)清水まゆみという2人の箏が、八木さんと、多分八木さんの一番弟子の高橋弘子が加わって、「十六夜」。「十六夜」の色んなやり方を聴いてたけど、2つの箏で奏でられる今夜の演奏も、アグレッシヴを挟み込んだカッコいい演奏。客席が品の良い、しかも女性の方が多いという中でもちゃんと八木さんらしい音が出てきて、ついニヤニヤしてしまう。その音の中に松浦さんが加わり、「花火」という話の朗読。お金を払って朗読を聴くって、多分これが初だと思う。喋る、或いは朗読するという事で職を成している人の、語りの淀みの無さ。でもそれの物語をあまり聴き取ろうとしないオレは、箏と朗読を、まとめて音楽としてしか聴かなかったのだけど、ちゃんと交わって聴こえる。最後は「十六夜」に戻る形で1st完了。
2ndはまず、現代音楽とか言ってたか、八木さんと高橋さんのデュオ。組曲なのか、何度か箏のセッティングを変える為に完全に音が止まることがあるのだけど、まあ大体、こういうところで客席からチョンボして拍手してしまう人がいたりするのだけど、今夜はそれが全く無くて、なかなか耳が肥えた客席だったのかも知れない。この曲を聴いている時、まあオレがいう事じゃないのだけど、やっぱ八木さんって上手いんだなあって思った。箏という楽器の上手い下手がオレにわかるはずも無いのだけど、こういう曲ってなんとなく演奏者の力量が見える気がする。まあ、こういう曲っがいうのがどういう曲かの説明は出来んけど、さ。この後、松浦さんが加わって「雪女」。今日は雪こそ降っていないけれど、この寒さでこの演目がはまりすぎ。が、オレの耳は何故か蝉が鳴いていて、ハイブリッドな気分。最後は「Rouge」でいいのだろうか? 八木さんらしいグルーヴのある演奏で、これを、ピットインとかSDLXでは見ることの無い今夜の客席の人達はどう思ったんだろうなあ?って、思う。
そういえば今夜の八木さんは和装だった。何度も八木さんの演奏を聴いてきたけど、和装は初めて見た。1月の末に近づいているとはいえ、その格好を見ていると、正月気分だったりする。もう1つそういえば、1stで八木さんが17絃にこん棒あててアグレッシヴなところの音って、やばいヴァイオリンみたいだったな。オレに勝手にギターに思われたりヴァイオリンに思われたり、いかにも箏らしい音とか言われたり、八木さんからすればメーワクな話かも知らんけど、思ったものは仕方が無い。
って事で、今夜のライブ観賞は今年7本目で、まさかの4連荘・・・。でも、昨夜と今夜の様な違いのあるものを聴くってのは、どうしようもなく、楽しいんだよな。