Dans Les Arbres

Derek Baileyの事を検索して、色々見ているうちに、Dans Les Arbresの『Dans Les Arbres』に辿り着いた。Ingar Zachでつながったって事なのだけど、この面子にXavier Charlesを見つけて、しかもこれが何故かオレの大嫌いなECMからのリリースで、なので調べてみたらどうもインプロ作品って事だったので、ならあえてって思って購入した。めんどいのでヨーロッパのフリーインプロという印象でいいや。したらしばらくして、そのDLAの来日の報。「ほう」って思った。
して、ピットイン・パーカッションのZach、クラリネットのCharlesに加えてギターとバンジョーのIvar Grydeland、ピアノのChristian WallumrødでDLA。1stはその4人での演奏。2ndは三味線の田中悠美子も加わる。Grydelandのギターとバンジョーは音数少なくペケペケしたり擦ったり叩いたり。Zachは大太鼓横置きでその上で叩いたり擦ったり摩ったり。Wallumrødのピアノは音色が独特で、リバーブがかったような感じでもあるけどマットな感じでもある。勿論、内部奏法もある。
と、いかにも硬質なヨーロッパのフリーインプロな材料が揃ったライブだったけど、1stの初っ端こそ音数少なく緊張感のある展開だったけど、気付くとミニマルな展開にまで発展。田中が加わった2ndも、違和感無し。田中の、義太夫っていうのだろうか?、あの歌も突飛に感じず。まあ、Charlesのクラリネットが尺八みたいな音色だったので、その辺も上手く嵌ったのかも。
このライブ、なんていうか、フリーインプロとしては、モノ凄くわかりやすかった。なんか、こんなにわかりやすくていいのか?ってぐらいだった。アグレッシヴな印象は殆ど無くて、でも音色は隙間のある一見強面。勿論ポップなんて言葉はあてはまらない。それが何故かわかりやすいという結果につながっていて、変な気分なのだけど、ここまで聴きやすいアコなフリーインプロは今までに経験無し。途中で、「Necksか?」とすら思った。インプロ好きなら、このバンドは見ておかないと勿体無い。気がする。