Jim O'Rourke

O'Rourke単独名義のライブって、あまり無い。いくつかあったのは知ってるけど、行ってないし、行ける場所じゃなかった。ので、今夜のスーパーデラックスは、勿論行った。共演者のアナウンスも無く、何をやるのかのなんとなくの予告も無い。何がおきるのかは、行ってみないとわからん。一応、可能性としては、O'Rourkeの歌モノのライブという可能性も、ある。
SDLXに入る。入ってすぐに、歌モノではないという事がすぐにわかる。SDLXには固定のステージは無いのだけど、まあ、大体ここというところがあって、そこが、客席との間がいつもよりも狭く、なにもセッティングされてない。そして入り口からカウンターまでの間に、セッティングされていないドラムセット。更にそして、そのドラムセットと反対側手にピアノ。んー、これは、O'Rourkeがウロウロしながらそれぞれ触りつつなのか?ってな感じ。したら開始前に、多分SDLXの店長のアナウンスで、「1セットで、20分〜2時間ぐらい」って言ってて、20分は聞き間違いしらんけど、これは、ヘヴィーなコースだな、と。
暗くなって、音が入ってくる。本来ステージのとこ、ドラムセットのとこ、ピアノのとこ、どこにもO'Rourkeは見当たらん。したら、楽屋口近くのとこ、に、居た。どうも、ラップトップかEMSか、そういう卓モノを扱っている。ステージなとこには映像。ミニマルな映像。この映像を見てて、個人的な解釈。まあこれはこの映像がどうのこうのに意味は、多分、あまり無い。これは、要するに、音を聴かせるライブ。演奏者が演奏している姿を端折る、けど、あくまでも、何かの再生とは違う、ライブ。だな、と。なので映像は、まあ、オレは見なくてもいい、や。と。O'Rourkeが放つのは、ノイズでありドローン的でもあり、要するに簡単では無い。O'Rourkeのやりたい事を勝手な解釈で汲み取って、後は、考えつつ、考えないようにしつつ、体験する。ホント毎度、めんどくさい男だなって思う。けど、このめんどくささを、オレは聴きたいのだと思う。そうじゃなければ、まあ、実際にはこういうめんどくさい展開になるんだろうなあって思っていたのでわざわざ足を運ぶ事も無かった。タバコ吹かしつつ演奏するなんて、Brotzmannに説教喰らえってなもんだけど、そのスタイルがO'Rourkeでもあり、サラウンドの効果が得られないとこに座って居たのにもかかわらず変な音が耳に飛び込んできたして、なんか、ヤバイ空間になっている。そこに、終盤近くに、ドラムセットに山本達久がくる。ああそうか、と。組まれていないドラムセットを組む。客席の誰かがワサワサする音は邪魔でしかないのに、ミュージシャンが演奏のために出す音は、それも音楽に含まれるように思ってしまう。達久は擦りで始めたけど、気がつくと、当然セットを使ったビートを叩き込む。O'Rourkeが作ったループに、達久のビートが入り込む。時々達久の叩く音を聴くけど、このドラムの持ち味は、金物に対するアプローチ。シャンシャンするビート。ビートは、音楽で最も重要なところ。それを低いところ以上に高いところで表現する達久のアプローチは独特。そこにループは続きながらO'Rourkeもアヴァンに音を絡める。安置じゃなくて音楽が展開している。って、持って行かれていると、いつの間にか達久の音がなくなっていてドラムセットにも居なくて、O'Rourkeがラップトップを閉じた様な音がして、止まる。終わったって事だった。なんとなく、まだ中盤って感じだったのだけど、終わった。時間をチェックすると、90分やってないぐらいか?って、とこ。でも、1時間は経ってないという感覚。ピアノって、結局使ったのか?って思ったけど、まあいいや。