HIROSHI MINAMI GO THERE!

315に見た南博GO THERE!のライブ。311から4日後のライブだったわけで、それが311後に見た最初のライブになった。不安しかないようなどうしようもない時期、自分だけじゃなくてあらゆるところがそんなだった。その時のライブは、まあとにかく、音楽を聴くことと欲する事をやめる必要は無いって思わせてくれた。あの状況でジャズを聴いたんだよなあ。ってのは、多分これからずっと忘れられない。
今夜のピットインのGO THERE!にも足を向ける。約5ヶ月経過して、いくらか落ち着きを取り戻して、改めて聴ける機会。で、やっぱ、これはジャズ。ジャズという枠から外れる瞬間は無い。けど、型にはまったものとは違う気がする。芳垣安洋の卓越したビート。そういえば、最初の曲の芳垣のソロだけ、ジャズという枠から外れたように聴こえたけれど、でもあれは、そう言うより、曲の枠から外れた、って思える。水谷浩章は多分、アコベを使っていたはずだけど、音はエレベの様で、しかも、細く、ベースラインを奏でる。なので、わかりやすいベースのグルーヴは感じにくく、けど輪郭はちゃんとしていて、なんか、不思議な気がした。テナーとソプラノを扱う竹野昌邦の、ソプラノの響きはジャジーというよりフュージョンな雰囲気で、って思っていたら、なんかColtraneっぽいなあって思わせるところが出てきたりして、捉えどころ、はぐらかす感じ。南のピアノはやっぱり端正な音色で、でも、不思議と叙情的に響く。ほぼ、南の曲の演奏なのだけど、なのでこのバンドのCDを1枚しか所有してないオレには殆ど耳なじみの無い曲ばかりなのだけど、曲を聴いたという感触は凄く強い。それって、個人的には珍しいこと。です。
なんか、今夜でオレの中の「ジャズと言えば」の最新の状態は、GO THERE!に書き換わった。