Elvis Costello "solo"

考えてみれば、高校なガキの頃からCostelloを聴いている。20年以上か・・・。最初に買ったのは、忘れもしない『Punch the Clock』。これを買った理由もハッキリしている。興味を持って、Costelloのレコードを買いに行ったら、『Punch the Clock』と『Goodbye Cruel World』の2枚しか置いてなく、まあ、初めて買うのだし、ジャケットには顔が出ている方がいいか、と、選んだ。その後結局『Goodbye Cruel World』も買い、その後たまたま遊びに行った東京で『My Aim is True』のCDとベストのアナログを買った。が、当時のつるんでるヤツがオレよりCostelloに嵌り、オレはオレでDylanに嵌り、お互いにトレードしたりなんかしてしまった。けど、その後もCostelloのCDは買って、ある時期まではそれなりに追い続けて、ある時期からは飛び石だけど、それでもCDは購入。だけど何故か今までCostelloのライブに腰が重かったのだけど、それなのについ最近知った今回のライブは軽く見に行ってしまった。
よせばいいのに、昼休みにCostelloのライブの情報を検索。すると昨夜の曲目を知る事が出来て、その中に「Everyday I Write the Book」を見つける。『Punch the Clock』で最も気に入った曲。なので、個人的にはCostelloの代名詞は「Everyday I Write the Book」。前日と曲目が変わることはよくある事だけど、果たして今夜も「Everyday I Write the Book」が聴けるか?、もし聴けなかったら昨夜じゃなかったのを大きく後悔してしまわないか?、と、軽い気持ちだったのに、複雑な気分になった。
ライブはソロ。独奏、という事。楽器もフルアコセミアコのギター。それに時々少しだけ、エフェクト。そして、少しだけ使った打ち込みとリアルタイムなサンプラー。なのでバンドのグルーヴは無い。これはCostelloの歌を聴く機会。やっとの初の機会で、歌という、最も基本のところを聴き取るライブ。
めんどいので結果から言うと、「Everyday I Write the Book」は演奏された。ああ、この曲だと気付いた時、グッときた。アメリカと日本の植民地沖縄の片隅でそのレコードを手に入れて、聴いていたそれがあの女声コーラスが無い、最もシンプルな形で歌われた。

Costelloも元々、パンクというかニューウェイブという扱いだったはずだけど、オレは初めて聴いた時からそのポップな楽曲に惹かれていたのだけど、それに+してミドル〜スロウな楽曲での切迫感がある。それはこのスタイルで更に思い知る。時折、マイクから外れて歌う。それを1曲通した「Almost Blue」。オレの席は後方だったけど、その歌声が生で響く。
Costelloの魅力は、多分、その楽曲と歌声。あの歌声は、間違えようの無い個性。あの声で、エンターテイナーとしての部分も加味しつつ、大きく歌う。渋い歌もあったけど、あくまでもポップ。ポップの大きさが、凄かった。
アンコールは4回。何曲か歌ったり、1曲だけだったりと、趣向のあるアンコール。4回目は結局何曲歌ったっけ? 6曲ぐらい歌ってなかったか? そして何より、2回目のアンコール。聴ければ聴きたかったあの曲、前日のセットリストには無かった「Shipbuilding」が演奏された。「Shipbuilding」だってわかった時、膝から落ちそうだった。座っていたけどな。