Jon Irabagon

朝まで阿部薫、という、大事をやりきった。まあ、時折寝たけど、騒の10枚組はやはり凄い。攻撃的度数は70年代前半〜中盤の方が強いけど、騒の頃の阿部の音は、その辺を越えてきたのだと思う。
確定申告の準備の為にやーぐむいー。が、佐川さんがamazon.co.jpからの荷物を持ってきてくれる。いつもありがとうございます。さっそくCesaria Evoraの『Nha Sentimento』で和んでみる。続いてどれ聴こうか?と思い、Jon Irabagonを選択。これは最新のCDジャーナルの「じゃずじゃの息子」で、じゃずじゃ氏が取り上げた作品。全く知らん名前だったけど、だから興味が沸く。在庫があった『Foxy』をオーダーしていた。最新作だし、Sonny Rollinsを模したジャケットもお得な気分。
フェードインから始まる。ゴリゴリと吹き進むIrabagonのテナーサックス、賑やかに派手に叩き続けるドラムのBarry Altschul、落とし所のようにベースを刻み続けるPeter Brendler。これが続く。ふと気になって何曲目か確認。するとすでに3曲目。あれ?、と、思い曲が終わった記憶が無いので、これはトラックとしては分かれているけれど、演奏はつながっているのか?って思ったら4曲目に変わり、やはりそうだった。で、もっと?が出る。なんか始まってからここまで、いかにもなソロスペースの記憶が無く、更に、音数が減った印象も無
い。そう思ってから最後まで、80分近いこのアルバム全部、3者とも全然音を止めない・・・呆気・・・。
ブリブリ吹き続けるサックスを聴いた事が無いわけじゃないけれど、こんなに長時間吹いているのを聴いた記憶が無い。Irabagonのサックスはジャケのパロ元のRollinsの様に豪放で明るく、すこし雑味を帯びた音色。そして少しだけ、Ornette Colemanを思わせる。終始、ジャズのグルーヴを叩き続けるAltschul。テンポが全く落ちないこの演奏で、派手に賑々しく。なんかこのドラム結構凄くないか?って思って検索。すると、Chick Coreaの『The Song of Singing』やDave Hollandの『Conference of the Birds』、Paul Bleyの『Touching』やAnthony Braxtonの『Town Hall 1972』という、フリージャズの重要作のドラムだった。名前を認識してなかっただけで、これまでこの人の叩いた作品を聴いていたのか、って思うと、ちょっと嬉しい反面、やはりリーダー以外の人の名前をちゃんと覚えないと損をするという事を再認識。
こういうの、なんか、アヴァンギャルド色の濃いフリージャズって仕上がりになりそうなのだけど、全然そうじゃなくて、楽しく聴ける。音が明るい。圧倒されて腹いっぱいになったのに、少し間を空けて、また聴きたくなった・・・。ので、聴いた。しっかし、このアルバムの終わり方がまた・・・。

Jon Irabagon 『Foxy』