Grand Gallery 5th Anniversary Special Live!! KENJI, GOTA & NEGI ONE DAY SUPER SESSION

昨日、職場の関西支店のヤツに、「明日、新世界に行く」と告げる。「大阪に来るのか?」という反応。「他に新世界あるのか?」と、とりあえず返した。が、新世界は霞町にあった。なのでそこで我慢した。と、ありがちなネタも、初の足向けとなる今回しか使えないので使ってみた。音楽実験室 新世界。六本木通りを挟んだSDLXの反対側、ともいえるぐらいの距離感。10月にオープンしたばかりだとか。そこで鈴木賢司屋敷豪太根岸孝旨によるセッション。
今ではKenji Jammerという名義を使う鈴木。オレが高校に通うガキだった頃にデビューして、当時の若手ギタリストでは最も評価された人。とにかく聴いてみようと思い、丁度リリースされていた12インチシングルを購入。これはカッコよかった。擦り切れそうに鳴るぐらい効いた。A面に2曲、B面に1曲。わずか3曲を繰り返した。その後ミニアルバムがリリースされて、そこにはTiny Punksをフィーチャーしたトラックまであった。ただ嵌ってはいなくて、なんかなあって思っていたら、Jack Bruce & Anton Fierとのライブ・セッションが当時は珍しくCDオンリーでリリースされた。が、その後は名前を聞く機会が減った。オレの趣向の変化も関係あると思うけど、リリースがあまり無かった印象。なのでちょっと忘れていると、Bomb the Bassに参加とか、ちょっと???な雰囲気になり、疎遠。そこから少し経って、ある日たまたま目にしたCDがKenji Jammerと書いてあって、それが鈴木賢司だと知る。なんか懐かしい気分になりCDを買うと、ハワイアンな雰囲気のそれにオレの知ってる音は無かったけど、結構良かった。けどその後、小洒落た音楽をあえて避けるようになり、なんとなくKenji Jammerも外してしまった。
屋敷豪太も実はCDを何枚か持っている。そのCDはフュージョン風味なのだけど、まあ、こういうのもありか、とか、思って聴いていた。なんたってあのGOTAだし。元Mute Beatで、一時期Simply Redのドラムでもあった。当時だけじゃなく、今でも欧米のメジャーなバンドで日本人が演奏することは珍しい。その数少ない例がGOTA。が、この人も小洒落た音楽避けモード時に外してしまった。
あー、前置き長っ。まあとにかく、実は思いいれのある2人を初めてライブで聴く機会。新世界というハコはHPでチェックするとかなり小さめのハコ。そんなとこで鈴木と屋敷が聴けるのか、と、ニヤニヤ。辿り着くとやはりかなり狭い。が、だからガッツリ見て聴ける。けどその前に、前座でTICA。実はTICAもデビュー時のCDは買っていて、それは当時のつるんでた女性のとこに持っていったらそいつの方がオレよりTICAを気に入ってしまい、じゃあってんでそのままにした。そのTICAをこの機会にライブで聴く事になるとは・・・。
TICAはヴォーカルの武田カオリとギターの石井マサユキのコンビ。ライブでも他に誰か加わったりせず、その2人で演奏。シンプルに音数少なく。武田の歌はクセが無い様で、でも個性はあって、アクとは違うそれが良くて、やっぱりいい声だと思う。石井のギターも丹念にキレイに’響かせる事に意識しているようで、お互いが上手く嵌る。わずか30分程度の演奏だったけど、最後には「Femme Fatale」を退廃的から脱却した歌にしてくれた。
そしていよいよ、今夜の最大の目的。CDもリリースしている3人に加えて、TICAの石井もサポートでギターを弾く。まあとにかく、初めて見る鈴木と屋敷。それでニヤニヤ。一応、どんな事をやるのかは知らないので、どうなるか?と思っていて、したら序盤、屋敷がドラムマシーンの様なもので演奏を始め、若干小洒落たロックとでもいう雰囲気。こっちの路線か、と思っていたら、違った。徐々に鈴木のギターがガシガシする。ロックしだした、という事。恐れを知らないギター小僧だったはずの鈴木が、その後色々しつつ、オレの知らん間に実はSimply Redのギターを担当していて、そのSimply Redの最後のコンサートが終わって日本に戻ってきている。そのコンサートはキャパ2万5千のとこで行われたらしい。そんなとこでギター弾いていた人が、この狭いハコでギター小僧に戻ってギターを弾きまくる。The Venturesが出たり、一瞬「You Really Got Me」が出てきたりする。はしる鈴木を根岸がブっといベースの音で支え、屋敷はスクエアにビートをはじき出す。楽しいが過ぎる。というところで、ゲストでSOIL&"PIMP"SESSIONSの元晴がアルトサックスを携えて加わる。この流れでサックスは要らんかもと一瞬思ったけど、ここで音楽はレゲ。ここに元晴のサックスが嵌る。根岸のブっとい音も嵌る。やられる。そして何より、屋敷がレゲを叩くのを聴けることにゾクゾク。
終盤近く、鈴木がクリスマスはどうでしたか?と客席に問いかけ。楽しいクリスマスもあるけれど、世界では戦争とか飢餓とか、、、という事を口にする。そういう事を意識に持つ人だという事が嬉しい。そしてそこで、「Merry Christmas, Mr. Lawrence」。『戦場のメリークリスマス』か。ここでの鈴木のギターの叫びにしびれた。
が、アンコール。されに痺れきる。「Little Wing」。あの曲を、この面子で演奏。当然の様に鈴木のギターはエモーショナル。やばいぐらいに好きなこの曲を、まさか今夜聴けるとは・・・。