King Crimson

プログレは苦手と常々書いているけど、一応、オリジナル・アルバムと、いくらかのオフィシャルなライブ・アルバムは知っているぐらいにKing Crimsonは聴いている。2003年の来日時にはライブを見れた。CDの『Elektrik』及びDVD『Eyes Wide Open』としてリリースされている日とは別日の新宿厚生年金だったはず。そのライブは2階から見たのだけど、Pat Mastelottoの要塞の様なドラムセットを見て、ピットインならMastelotto1人でステージ全部埋まるな・・・と苦笑いした。のを思い出す。
なので、一応、KCファンの片隅には置いてもらえるんじゃないかと自己判断。が、ここ数年はあまり再生してなかった。が、突如、1st+70年代のアルバムを再生。それは勿論来週のASのアルバム再現プロジェクトがKCの1st『In the Court of the Crimson King』である事が理由。それもあったので、全く気にも留めてなかった40周年リマスターも1stだけ手にしたりした。
その1st、個人的には「21世紀の精神異常者」1曲に尽きる。初めてこのアルバムを聴いた時、あの噂の「21世紀の精神異常者」という曲を初めて聴いた時にはブッ飛ばされた。が、いきなり次曲でこける。そのままアルバムが終わるまで立ち上がれはしなかった。「21世紀の精神異常者」だけが突き抜けていて、後の曲は、まあ、良いとか悪いとかじゃないんだけど、違いすぎる。その落差がこの1stの魅力かも知らんけど、そのせいでこのアルバムは頭1曲のみの再生ばかりという扱い。で、アルバムとしては1st以外のアルバムの方が面白く、『In the Wake of Poseidon』〜『Red』まで続けて聴いていられる。個人的な特盤は『Starless and Bible Black』。ファンキーなノリすら思う「The Great Deceiver」で始まって、その後も初期に顕著だった欧州らしいクラシック・コンプレックスが端折られてアドリブの主体が強い。この前後の『Larks' Tongues in Aspic』とか『Red』も締まったカッコ良さがあって、この時期が好きかも。ああでも、『Lizard』〜『Islands』の辺りもバランス的にはいいのかも。という事で、実は1番気に入っているのは完全に蚊帳の外の『Earthbound』。ここの1曲目の「21世紀の精神異常者」のRobert Frippの感情のむき出しっぷりはたまらん。危ないアヴァンというより、イラつきまくったパンク。FrippがなかなかこのアルバムをCD化させなかったのは、音質以前に自分のこの姿を無かった事にしたかったからじゃないか?って思う。更にこのアルバム、この後はインスト続きで、一見ジャズ風なのにIan Wallaceのドラムはただバスバス言ったロックだし、Mel Collinsのサックスにも全くイマジネーションが感じられず、なんかなあ・・・と、思うのだけど、それが歪んだ音質で妙な具合になっていて、クセになる。