Fenn O'Berg

小雨の中、全く人のいない花畑牧場カフェをニヤニヤして横目で眺めて、久々にスーパーデラックス。Christian Fennesz / Jim O'Rourke / Peter RehbergによるFenn O'Bergのライブ。1年という短いスパンは意外だけど、これは嬉しいほうの意外。
その前回と同じく、1セットのみで1つの演奏。これも同じく大体1時間ぐらい。3者ともラップトップメインだと思っていたのだけど、もしかしてPitaはラップトップじゃないのか?って思ったけど、よくわからん。終演後確認しようかとも思ったけど、Fenn O'Bergが去った後の機材にかなりの群がり。めんどいので「どうでもいいや」と、なった。
エレクトロニカとしての即興。ラップトップには色々仕掛けられるけれど、この3者はその優位でがんじがらめになるんじゃなくて、それぞれが個性的な楽器として扱う。何かに向かっている姿が演奏なのだから、何も知らなければ聴き分けられないと思うけど、個人的に多々繰り返しているFenneszの音はすぐにわかる。その音が全体のベースを担って、そこにコラージュな音や断片的にパーツを差し込むのがO'Rourkeで、パルス等も扱いながらノイズを入れ込むのがPita、って感じだろうか? 即興らしく音楽が劇的に変わったり、或いは少しずつ変化したり、当然そういう事が行われる。それを演奏している姿を見ても大して得るものが無いにも拘らず、混みあった中の立見客としてはその姿を視界に入れようと少しだけ努力をしつつ、東京エールを舐めつつ、聴く。それなりに聴いてきた即興演奏と何が違うのか?は、上手く言え無いけれど、でも、決定的に違う。フリージャズとかフリーインプロとか、そういうものと違う文脈でFenn O'Bergは成り立っている。
物販で買うものは無いよなあ、と思いながらも一応覗くと、昨年のツアーが『Live in Japan』としてCD化されていて、それの先行発売。一緒に並んでいたアナログは既にEditions Megoからリリースされているものらしいけど、CDは日本だけとか。しかも¥100安く物販。ニヤニヤ。