Sten Sandell Trio

今日、10/17は、沖縄そばの日です。
2年半ぶりのSten Sandell Trio。その前回は初日がスーパーデラックスでエレクトリック(?)なセット、2日目のピットインがアコなセットという振り分けがあった。2日目はCD化もされていて、その『Face of Tokyo』を聴けばわかるように、かなりハードなピアノトリオの演奏だった。今夜もピットインなので、それを思い出すような演奏が予想された。で、その通りだった。
リーダーをさておき、とにかく、やはり、Paal Nilssen-Loveが凄い。度々日本で演奏してくれるPNLだけど、丁度その生音を忘れた頃にやってきて、どうだ?と言わんばかりに叩き散らしていく。今夜もその手数とスピード感で圧倒。叩き始めるとすぐに「ああやっぱこの人は凄いんだよな」と、思い出す。即効性が強い。劇薬。単純な叩き込みの強さでは、バンド全体を鼓舞しなければいけないAtomicの時までにはならない。だけどこの自由なスタイルでの演奏では、リーダーのSandellを意識しつつも、やりたい事を並べつくす。スネアのふちを叩く音とか、スネアをスティックで擦って出す音とか、耳に残る。シンバル系へのアプローチもどんどん個性的に鳴っていて、もうとにかくサディスティック。ヤバイ感じをドンドン突き詰めて行ってる。
壮絶に鳴ると時々かすむJohan Berthlingのベースだけど、この人がSandellとPNLの間で中和する事で演奏のバランスはヒステリックになる寸前でおさまる。いや、もしかしたら収まってないかも知らんけど、とにかく微かにでもアコベの響きが残る事で、おさまるところがあるし、2ndでのアルコでのベースソロがらしい美しい音ではなく、少しダーティーに、しかも同じ音をしつこく続けたりして印象に残った。
Sandellはユニークなユーモアも交えつつ、フリージャズする。フリーインプロの演奏者としての顔がうまくフリージャズに嵌る。大概のフリージャズのピアニストはパーカッシヴな面があるけど、Sandellには特にそれを強く感じた。それはThelonious Monk的だったり、Cecil Taylorばりに大きな演奏もあった。
前日のグルーヴにやられた後、今夜でリセット。この手の演奏では時々辛い時間が来たりするけれど、SSTは、そういう時間が感じられなかった。圧巻。激ハードなピアノトリオ。

帰ってきたので沖縄そばでも喰って晩飯としたいところだったけど、残念ながら沖縄そばの麺を常備しているわけも無く、だけどスープの素はあったので、それをスープにしたにゅうめんを拵えてみた。結果、んー、まあ、こんなもんだよな・・・。