Bushman's Revenge

ここ最近スーパーデラックスで見ているライブの時に渡されるチラシにBushman's Revengeというバンドのチラシがあった。「ブッシュマンの復讐?、なんだこれ? ブッシュマン(映画な)の続きか?」って思った。すぐにバンドの名前だとわかって、でもなんとなく日本のバンドか?とか思っていた。だけどSDLXのスケジュールを見ているときに、このバンドが北欧系(?)のバンドらしいという事がわかった。今月は濃い来日が続いたけれど、その締めとしてよく知らないけれど、Rune Grammofonという欧州で最も優れたレーベルの1つからアルバムがリリースされているバンドという信頼感があって、躊躇無く予約した。バンドの面子のコピペ。
Even Helte Hermansen (g), Rune Nergaard (b), Gard Nilssen (ds)
ドラムのNilssenはPumaとZanussi 5としての演奏を見ている。ノイジーなPumaと室内楽的なZanussi Fiveのドラムであるという事実だけで、このドラム奏者が欧州でも最も優れたタイコ叩きの1人である事は言うまでもないはず。そして残り2人は全く知らなかったけど、バンドの宣伝文句としてギターのEHHが重要なはず。多分このバンドのリーダー。
そして今夜、なんとベースのNergaardがトラブルにより演奏できないとの事・・・。普通ならバンドのバランスが壊れるこの事態だけど、それはそれ、こういう演奏を聴きに行ってしまう客の1人として、それならばそれで楽しんでやる、という気持ちになれる。
1stはセットをフルで1つの演奏、2ndは2つか、或いは1つ+アンコール対応気味の演奏。恐らくどれも、このバンドの曲を紡いで演奏したのだと思う。ホントは色々を端折って、とにかくカッコよかったと書いて終わりたい。それだけでいい気がする。でも続ける。
このバンド、ジャズ系とかアヴァン系とかじゃない。このバンドはロック。間違いない。ジャズとかアヴァンとかに全く引けを取らない、だからと言ってプログレとは違う。ロック。EHHがJimi HendrixJeff Beckに影響を受けたと書いてあるけれど、確かにこの人のギターはジミヘンを思わせる。ギタープレイというより、そのギターのラインがジミヘンを思わせる。更にはジミヘンの影響を多大に受けたはずのJean-Paul Bourellyを思い出す。ダブルトーン的なあの音は正にそれ。そしてこのバンドをアヴァンとは違うと言い切るのはEHHのプレイで説明できる。エレキーではあってもノイジーじゃないし、アヴァン特有のグチャグチャなはちきれが無い。アヴァン系のギタリストの大体がピック以外の何かで弦にアプローチするのに、EHHは左手でフレットを押さえ、右手はピック以外を持たない。一番当たり前な姿でギターを弾ききる。それでいて、そういう音楽に負けない壮絶も持っている。
そういうギターに耳を引っ張られながら、ふとNilssenのドラムに意識を持っていく。それまではスクエアに叩いている印象だったのに、実は圧倒的なスピード感で臨場感を作っている。大体、ロック的なものは楽器が3つ揃って過不足ない感じになる。今夜は確実に1つ足りない。しかもギターはノイズを撒き散らさない。だけど不足を忘れていたのは、Nilssenの作る臨場感があったからだった。その存在感が際立ったのは、1st2ndの両方でEHHがエフェクトもオフにしてNilssenのソロの場を作った時。ここでジャズ系ならば、ここぞとばかりに自分のアッピールが来る。それがジャズの面白さ。だけどNilssenのドラムは、ジャズとは全く違う淡々をソロとして扱う。何かがぶった切られたような、ヤバイ時間。
こんなにカッコいいバンドがあったかと、あっという間にファンになった。まあとにかく、このバンド名で検索すればすぐにMy Spaceに行けるのでこのバンドの音を聴いてみて欲しい。正直、オレにとっては北欧系で最も好きなバンドかもしれない。勿論、だからと言って日本やアメリカのバンドに引けているわけじゃない。ただ、個人的に北欧系に足りなかった音がこのバンドには確実にある。ECMとは全く縁遠い感じがそういう事。このバンドは北欧ジャズやアヴァンを好む輩だけじゃなく、ロックから離れられん連中もすぐに虜になれる。
当然物販に寄る。Bushman's Revengeのアルバムは2枚あった。当然買う。更に、Nilssenの所属するZanussi Fiveの新作!!!
で、このバンド、金曜にもSDLXでライブがあります。実は今夜の客数は、オレがSDLXで見た最低ぐらいの数だった。記したくも無い。今月見たどのライブよりもポピュラリティーを得る事が出来る音なのに、このバンドの音を伝える媒体が殆ど無いという結果だと思う。オレも今夜までは全く知らなかった。実はマイスペも帰ってきてから聴いた。まあとにかく、このログに目を通した人はまずマイスペでこのバンドの音楽を確認して下さい。そして、絶対に惹かれるはずなので、金曜はSDLXで生音を貪れ。今夜はベースがいないことで2人のそれぞれの個性を強烈に感じる事が出来たけれど、金曜はそこにグルーヴが加わる(よな?)。今夜の10倍の客数がいてもいいはず。
という事でオレも勿論金曜は再度SDLXに、、、と言いたいのだけど、実は既に手元にはクアトロのチケットが・・・。あああ、、、マジかよ。。。はああああ、、、。という気分。でもPhewもそろそろいい加減にライブが見たいので、チケットを捨てることは出来ない。唯一の望みは、クアトロがSDLXの2ndに間に合う時間でサクッと終わって欲しいという事。このバンドなら、例え1セットでも見れるなら行く。