Live Recording Session

昨夜の怒り炸裂の、ちょっと危ない人状態のログは半日で隠しました。オレは時々こういう事をします。
今夜はスーパーデラックスでライブ鑑賞。このところSDLX率高いなあ、と考えつつ、いつ見ても人のいない花畑牧場カフェを横目に、辿り着く。とりあえず面子のコピペ。
山本精一 (guitar)、ミヤ・マサオカ (koto, New York City)、田中悠美子 (shamisen/voice)、マルコス・フェルナンデス (percussion)
このライブもほぼ即興であろうことは、ほぼ、間違いない気がしないでもない。印象としては、1stが欧州で脈々と受け継がれているはずのフリーインプロに近い、強面の展開含みで50分ぐらい。2ndは少しリズムを追ってみたりも出来る部分を含んだ、多少のアヴァンなノリで40分ぐらい。

Marcos Fernandesの演奏を見たことが無ければラテンやアフリカンな打楽器を想像してしまうと思うのだけど、Fernandesのパーカッションはそういうものではなく、金物とか、スネアぐらいの大きさの和的な小太鼓みたいなのや、あとはエレクトリックな仕掛け(?)の叩き物をテーブルの上に置いて演奏。更にMacのラップトップでも音を出す。スティックやブラシは持っているけれど、その姿はドラマーとかパーカッション奏者とは異なる。あえてあてはめれば、クラシックでのパーカッション奏者的。ビートの圧力がメインではない演奏。インプロな場で、こういう手段の演奏者は実は少ない。
セッションでの山本精一というと、こう、ガーっと、ギャンギャンと、ギターがうねる感じなのだけど、今夜は違う。座って弾いていたのだけどギターの構えが寝かせ気味な時間が多く、反射で構成せず、反目しているように見えながら他の音を活かしつつといった感じで、4人の中では1番ジャジー。こういう、感情を先ばらせない山本の演奏は、個人的にはJim O'Rourkeとのセッションで見て以来。
箏といえば当然に八木さんが頭に浮かぶのだけど、それと、こういう場に出てくる人という意味でも他の人は殆ど知らないのだけど、昨年の来日をたまたま見る事の出来たマサオカ(Miya Masaoka)さんは、箏へのアプローチでは八木さんの様な過激な雰囲気を出す事は少ないのだけど、気が付くとこちらもMacのラップトップを使っていて、実はそれがかなり高い頻度だった。恐らく今夜以上に過激になりそうな日曜のピットインでのセッションでどう出るのか?
個人的に最も音の印象が強いのが田中さんで、三味線をテーブルトップ状態で扱ったり、弦を弦で擦ったり、弓弾きしたり、普通弾きそうにないところで音を出したり、灰皿で押さえつけながら弾いてみたり、勿論三味線らしい音や唄も交え、さらにテーブルを叩いたりと、とにかく色々とアプローチしてくる。そのどれもが注視したくなる主張があって、なかなかこの人の演奏を聴く機会が少ない事が悔やまれる。
全体としては、ほぼ即興と言い切れるようなわかりやすさの少ない演奏だったと思うのだけど、1st2ndともに、あっという間に終わった印象だった。それは楽器の構成の珍しさと、個々が明らかに違うベースを持っていて、だからあっちこっちを追ってしまったのに、散漫に聴いているにも拘らずそれらがちゃんと耳に残る音だったからだと思う。
アンコールは短くアグレッシヴに。ここは全員がはっちゃけていて、本編とは違うノリ一発な感じが、締めくくりに当てはまった。