登川誠仁

まずは興南高校、優勝おめでとうございます。やっと、沖縄勢が夏の甲子園を制した。これは感慨深い。しかも春夏連覇というオマケ付き。点差は大差になったけど、運不運が左右した場面も多くて、スコアほどの差は感じられなかった。3回までは押されていた興南だったけど、4回の表を3凡で押さえて、それでその裏にリズムが生まれてああいう事になった。流れ、だよなあ、と思った。東海大相模の一二三は3日連続の登板という日程に苦しんだはずで、それがこういう結果になった一因でもあるはず。だけど、ここに来ていきなり軟投にスイッチした島袋の柔軟さが見事だった。
しかし、こうやって高校野球を見ていると、ますますプロ野球との復縁が遠のく。殆どタイムの取れない中で、ピッチャーは間を短く投げ込んでくる。それに比べるとプロはだらだらと時間を長引かせる。
折角なので、4月にリリースされた登川誠仁の新作『歌ぬ泉』を再生。オレはあまりセイ小(小はぐゎーと読んで下さい)の作品を聴いていないのだけど、今回はなんとなく購入。凄みのある嘉手苅林昌や、太い声の持ち主の知名定男といった、沖縄音楽の中の個性的な歌い手とは違い、セイ小の音楽は独特の軽さがあって、知名度の割りに耳にしてなかった理由はそれだった。だけど、改めて聴いてみるとこれは軽いんじゃなくて軽やか、だと気付いた。沖縄(三線)のジミヘンとか、そういう言葉に惑わされる必要は無い。

登川誠仁 『歌ぬ泉』