Olive Oil / Ill-Bosstino / B.I.G. Joe

Olive Oil / Ill-Bosstino / B.I.G. Joeの『Mission Possible』。これのリリースの報から時間があったので、名は知れども音は知らないOlive Oilの『Space in Space』を手にした。少し不知火レーベルを思い出すアブストラクトでありながら、それよりもヒップホップ感の強さに何度か繰り返した。敬愛するBossはいいとして、B.I.G. Joeは『Come Clean』を聴いたけど、あまり引き込まれなく、多分1度だけ聴いて、それだけだった。そして日本のヒップホップを聴いているモノなら知っているように、BossとJoeはビーフ状態になり、元々旧知の仲であるはずの2人がそういう状態になることに、そんな事まで本場のやり方を受け入れる必要は無いと、思っていた。だけどそれが解消されて、なのか、この『Mission Possible』でタッグを組む。それは、今の日本のやり方に対する最初の異見。成熟しているはずのいくつモノ中で、だけど、実はこういう事は殆ど見受けられない。だからあえてこの言い方を使うけど、これはリリースそのものに意味がある。
Olive Oilの作ったトラックはまるで希望溢れるニューソウルの様で、絶対的に前を向いている。終盤に挟まる空への爆音から三線が奏でる「てぃんさぐぬ花」に、トラック自体の意思がハッキリする。初期の頃の様にドスの効いたBossのラップが先陣。いつもの編みこまれた言葉使いと違って、短時間で、勢いの言葉を並べた印象。感情が前に出たラップ。それに続くJoeはヒップホップらしい韻を用いて、ハッキリとした言葉の姿勢。その高めの声質が、実はBossのラップとの相性が良い事が意外。
フォークな世代以降は、時事に対する率直な姿勢を音楽で示されたことは、日本という国においては少ないはず。だからこれ、しつこいかもしれないけれど、このリリース自体が重要。そしてこの曲が、何度もスピンされることが必要だと思う。

Olive Oil / Ill-Bosstino / B.I.G. Joe 『Mission Possible』

たたまず追記!! PVがYoutubeにアップされてた!!