ゆらら・ゆられ・ゆらる

17弦と20弦箏の八木美知依と、笙と竿の石川高。この組合せで興味を引かれない訳が無く、吉祥寺のsound cafe dzumi(サウンド・カフェ・ズミ)に向かう。日に向かって歩く状態では目が潰されそうな状態で、あまり得意ではない吉祥寺の見知らぬ場所に向かうとあって、やはり手間取った。吉祥寺はオレには難解。やっとそれらしき場所を見つけて、2階からELVで7階に。7階でELVの扉が開くとそれが店の入り口だった。
2つの和楽器が即興。小さな音からアヴァンな展開までが含まれる。このデュオは初めてとのことだけど、方向を一致させた演奏。ロックとジャズしか聴いていなかった頃には気にかけた事もない楽器が出す音をこうやって積極的に聴きにいくようになったことが不思議な気分なのだけど、面白いものは特定の楽器やジャンルだけではないと、どこかで気付いて今ここに座っているんだなあ、とか思う。
石川の笙の発する音は雅楽で聴かれるあの音であり、でもエレクトリックを思わせたり、おもちゃの楽器の様に聴こえたり、不思議な形で一見不器用そうな楽器だけど、見せる面はいくつもあった。そして、吉祥寺の緑と建物が絡み合っている光景が見渡せる窓にまでアプローチする八木さんの姿に、まだまだいくつもの音を取り入れて柔軟な強度が増していく雰囲気を感じた。