IMPROVISATION

気がつくとライブ鑑賞6連荘・・・。しかもここ3つはインプロか・・・。

ベルギーのドラム叩きのEric Thielemansと、アメリカのサックス吹きのAlexander Berneを、日本とベルギーを行き来しつつ演奏活動をしているらしいチューバの高岡大祐が日本に招いてツアーを行っているようで、今夜のスーパーデラックスはその3人に芳垣安洋高良久美子、広瀬淳二を加えたセッション(予定になかったVJが加わったけど名前は知らない)。SDLXの『IMPROVISATION』というタイトルに潔さを思う。

組合せを、まず。
1st、全員→ Thielemans / Berne / 高岡→ 芳垣 / 広瀬 / Thielemans / Berne
2nd、芳垣 / 高良 / Thielemans→ 広瀬 / Thielemans→ 芳垣 / 高良 / 広瀬 / 高岡→ 全員
と、7種類の演奏があるのでそれぞれの感想はやめとく。

SDLXに書いてある事しか予備知識なしだったThielemans。ベルギーというと、シーフォ(サッカー選手な)とビールとワッフルがすぐ頭に思い浮かぶけど、音楽については殆ど知らない。土地の音楽は勿論、ベルギーのジャズとかアヴァンとか当然ロックやヒップホップ、全然知らない。そこから来たThielemansは、ドラムセットをプリミティヴにアプローチ。あまり強く叩き込む事もないので、少々かすむ事もあった。だけどその音色のアプローチはオレの好きな雰囲気だし、外し気味に絡んでくる様は、外山明を思い浮かべた。そういえば外山明って、鳥山明と一字違いだな。
Berneも上記と同じく知らない状態。扱うのはストレートじゃないサックス。ソプラノかソプラニーノのカーヴドだと思う。それとチューブとか、繋いで使う縦笛みたいのとか(これがsuduk?)、使う。押しの強いタイプじゃなくて、色々と変な音を出してみたり、朴訥としたフレーズを繰り返したり。なんか、延々と吹いていても、聴いているほうも疲れずに追っていられそうな雰囲気。2ndの全員の演奏で、場内を練り歩く芳垣の後ろについていったりするフットワークの軽さがいい。なんとなくDon Cherryを思う。
坂田さんと芳垣の誕生日セッションで変態ぶりを見せ付けた高岡は、今夜も変態。尺八な音色とかチューバのパーツを外したりとか、手元のエレクトロニクスな発音機で重低音かましたりとか色々、ホントに色々やるな、この人。面白い。もっと見る機会が欲しい。
名バイプレイヤーと言っては失礼かもしれないけれど、高良さんはいつも美しい装飾を施す。ぶれない淀みない凜とした音。前に出る気はなさそうなのに、混沌としてくると不思議と前面に浮かび上がってくる。いつかクラシックスでソロとかデュオとか、見たい。
今夜でやっと2度目の機会になった広瀬。Thielemansがデュオを希望したというのもよくわかる鳴らしっぷり。テナーサックスという楽器があれだけ切れ味鋭いとは思わなかった。かなり印象に残っている。ちょっと無理してでも、機会を探す必要があるのかも。
そして芳垣。やっぱ、こういうセッションでのこの人は存在感大きい。あらゆる事を持っているので、SDLXのようなスペースが似合う。音の遊び方と圧倒的な臨場感。芳垣の演奏を見る機会はかなり多いので今夜はなるべく他のプレイヤーを見ようと思ったのだけど、無理。