花吹雪2010! 楽日

昨夜、帰宅して録画してあったK-1を見る。ピーター・アーツが京太郎にKO負けというショッキングなシーン。さらには、K-1に復帰したアレクセイ・イグナショフバダ・ハリに何も出来ないという現実。あれ、バダ・ハリがKO出来なかったのは、昔イグナショフにKOされたことがあるという擦り込みがあるからだろうな・・・、という、悲しさ。で、現チャンピオンのセーム・シュルトの面白く無さに、でも、大概チャンピオンになるヤツって面白くないんだよなあと思った。アーツぐらいだったよなあ、ホントに凄かったの。あの全盛期のアーツならシュルトに勝てたんじゃないの?とか、考える。



で、今日、人生で2度目のアケタの店。『花吹雪 2010!』の2日目、八木美知依とPaal Nilssen-Loveに加え、今夜のゲストはJim O'Rourke。今夜はピットインもかなーーーーーり興味深かったけれど、悩んでこっちを選択。



今夜のライブ、メモとしては、別に書く必要は無い。ただ、「凄かった」って、それだけで大丈夫。他に見つからん。

でも一応、ちょろっと。

今夜もまずは八木さんとPNLのデュオ。掴みとしては申し分の無いアグレッシヴ。いや、掴み扱いに出来ない。この2人、既にコンビネーションが出来上がっているとしか思えない。

そしてO'Rourkeが加わる。この面子だと、O'Rourkeは、自分のやりたい事をやれるはずで、やるはず。どうするのか?、は、やっぱりそうきたかと思った。ボリュームをミュートの様な状態でギターを弾き出す。ここでオレはやられている。出来ればこのまま、音色を聴き続けたい。マジで、こんな音だけでライブしてもらいたい。だけどそういうわけには行かず、徐々に音がハッキリしてくる。八木さんも音を重ねてくる。だけど、最初のデュオの激しさから見れば弱音みたいなもの。まるでジャズの様な単音を紡ぐO'Rourke。もう、これでいいと思った。なんならこのままPNLが消えていてくれてかまわない。とか、思ってしまった。

だけどようやく、PNLも音を入れてくる。あの激しいドラムとは違う、ブラシで音を殺しつつ、擦りつつ。だから一見緩やかに、でも実はかなりの緊張感で演奏が進む。これでいいはず。このまま、沸点無しで終わってもいいはず。と思っていた。だけど、またしてもオレの気持ちが裏切られる。徐々に熱を帯びる。気がつくとあっという間に音だらけ。圧倒される。圧倒されて、セットが終わった。



もうこれで満腹。今日はこれで終わりと言われても納得。裏切られ続けながら、耳は音に集中した。



やりきった感のある1stの後、2ndどうすんの?と思っていたら、1stほどの緊張感は必要としないまでも、ここも序盤はおとなしく進む。O'Rourkeのギターと、八木さんの十七弦箏が、音色もフレーズもどちらも大事というように演奏する。このまま、1stではやらなかった静かな演奏が続くかと思っていたけれど、中盤に差し掛かる辺りでPNLの強烈なドラム・ソロ。単純化された、だけどだから強烈な叩き込みが圧倒する。そしてそれにノルO'Rourkeと八木さん。ここからは圧巻。マジ凄い。半端ない。これが、PNLは驚愕といってしまう叩き。それにちぎられないO'Rourkeと八木さん。八木さんはここでベースを単音で挟み込みつつ、もう1人八木さんがいるかのように暴れまくる。O'Rourkeは、あの危ない時のO'Rourke。あまりに凄くて、ただ圧倒されていたのだけど、それじゃあイケナイと思って無理やりリズムとってみたり、残っていたビールを飲んでみたりしたけれど、結局ボーっと巻き込まれた。

と、ここで終わってもいい、もうこれ以上激しいのは変になるかも知らんと思っていたのだけど、アンコール含みで2曲ほどの演奏。ここはおとなしく演奏してくれたのだけど、八木さんが二十弦をスティックで叩く音に聴き惚れ、マジで惚れて、そしてO'Rourkeのハーモニカに心奪われ・・・。



地方の皆さん、ごめんなさい。こんな凄いライブ、今回は東京でしか見れなかったようです。でもPNLはこの後Atomicのツアーが始まります。そこでのPNLも、「なんでこんなに叩けるの?」って、思うこと必至です。そして、他の面子の屈強さにも惹かれます。だけどオレの目当ては・・・。



という事で、ライブが凄いとご祝儀代わりにCDを買う。昨日はAtomicの新作『Theater Tilters Vol.1』、Sten Sandell Trioの『Face of Tokyo』(これは2年前のピットインでのライブ)、Lean Leftの『The Ex Guitars meet Nilssen-Love / Vandermark Duo Volume 1』、そして今夜はBobby Bradford / Frode Gjerstad / Ingebright Haker Flaten / Paal Nilssen-Loveの『Reknes』、Ken Vandermark / Paal Nilssen-Loveの『Chicago Volume』。計5枚・・・。Atomicのライブ時の物販に使う金が・・・。

昨夜買った3枚は今日の昼に早速聴いていて、単純な好みだとLean Leftがいいのだけど、Atomicの新作、こうきたか!!感あり。これ、何も考えずに聴いていて、最後にライブ盤だと気付いた。Sten Sandell Trioはライブを見ているのだけど、こうやって録音物で聴くのはまた違う。ピアノ・トリオで長い演奏が2つなのに、最後までわき目振らずに一気にいける。