David Grubbs / Noel Akchote

Noel Akchoteがピットインの上方のスピーカーにギターのヘッドをぶつけてステージに登場。意外な笑いをとるとは、やるな、フランス人。

David Grubbsは登場せず、ソロでギターを弾き始める。即興ではなく『So Lucky』路線のポップスの演奏。というかまんま『So Lucky』に収録されているKylie Minogueの楽曲だけだったのかもしれない。なんとなくモータウンっぽい曲もあったけど、SAWの楽曲にそういう親和性があるのかもしれない。とにかくそれで1stセットをこなす。その構成に面食らった。アヴァンギャルドな瞬間が皆無といってもいい演奏。雑味を含みながらメロディーを忠実に、そのためにフィンガー・ピッキングテレキャスターを弾く。ベースラインの扱いがカッコいい。エフェクトはあまり使っていない。



今夜のピットインはかなりの客入り。意外にAkchoteって人気あるんだなって思っていたのだけど、休憩中に聞こえて来る話を聞いていると、今夜のメインはGrubbsと捉えている様子。そっか、そらそうだな。Akchoteにこれだけ客が来るなら、アヴァンなライブはあんなに苦戦しない。



2ndはGrubbsがソロで演奏。ギターで弾き語る。そのギターはAkchoteの様な手ダレ感は無いのだけど、美しい響き。このライブに向けて手持ちのGrubbsのCDを聴いたりしたのだけど、久々に聴いたそれらにアメリカーナのニュアンスを感じ、そしてLou Reedを思った。メロディアスではないその歌とギターの響きがLou Reedっぽい。『Berlin』と『The Blue Mask』を合わせた感じをイメージしていて、それを確認。だけどギターの音がキレイすぎで眠気を誘う・・・。

そして2ndの最後はAkchoteが加わって音が小さめの音数の少ない演奏。Akchoteはマトモにギターを弾かず、誰がいつ使うんだ?と思っていたピアノをGrubbsが爪弾く。これもキレイな演奏なのだけど、眠気に追い討ちが・・・。



2人でのアヴァンなセッションを予想していたのだけど、全然違う展開というオチ。まあだけど、昨夜のスーパーデラックスでの大友良英入りの方を選ばずに今夜を選択したのはなるべく各々の音を聴きたいという気持ちがあったからで、そういう意味では正解。多分Grubbsファンは満足のはず。Akchote目当てとしては、即興演奏も聴きたかったというのが本音。