本田珠也 Thomas Morgan 2DAYS

ちょうど1年ぐらい前、八木さんとの演奏を聴いたThomas Morganだけど、今夜はその時よりもジャズ的な部分も感じた。それはピットインとクラシックスの違いだと思うし、それと、その昨年の印象と今夜のMorganを比較対象に持ってきたからこういう事を書いているのだけど、それが無ければジャズ的という言葉は使わない。ジャズ的なフレーズはあったりするけれど、ジャジーじゃない。ガツガツするところはあってもいちいち滑らかだし、そういやアコベ奏者の大事な手の内のアルコを使ってなかった。時々ちゃんと消えたりもする。個人的には今までに聴いた事の無い、特異なタイプだと思う。



本田珠也も八木さんとのライブの印象が強い。それ以外でも、パワフルなドラムのイメージ。だから今夜の演奏は強めのフリージャズなのかと思っていた。だけど本田も、思っていたような感じではなく、ジャズのはずだけどそういうフレーズの印象が無い。そういう定型を外してきたのか、元々そうなのかよくわからないけれど、小さな演奏からイケイケまで、コントロールして表現しきっていたように思った。やりすぎず、物足りなさも無い。実はかなり器用なタイプじゃないだろうか?



ゲスト扱いの佐藤允彦さんもガチガチにならず、多弁な連なりも丸く入ってくる感じ。厳しく響く音もいいのだけど、オレはピアノはこういう方が好みで、これならいくら弾きまくられても飽きない。しかも佐藤さんの音は端正でアグレッシヴ。そんなに聴く機会は無いのだけど、いつも印象深い演奏をしてくれる。



演奏は1st2ndともに即興で1曲という構成。音楽のレンジが広く、繊細も大胆もいくつモノ種類があった。