田村夏樹・藤井郷子 4タイトル・一挙同時リリース / 4バンド・一挙同日ライヴ

まずは、ピットインのHPから今日のライブの面子をコピペ。



■16:00 Gato Libre CD"Shiro"リリース記念

田村夏樹(Tp)津村和彦(G)藤井郷子(Acco)是安克則(B)

■17:30 First Meeting CD"Cut The Rope"リリース記念

田村夏樹(Tp)ケリー・チュルコ(G)藤井郷子(P)山本達久(Ds)

スペシャルゲスト:ネルス・クライン(G)

■19:00 Satoko Fujii ma-do CD"Desert Ship"リリース記念

田村夏樹(Tp)藤井郷子(P)是安克則(B)堀越 彰(Ds)

■20:30 Satoko Fujii Orchestra Tokyo CD"Zakopane"リリース記念

早坂紗知,泉邦宏(As)松本健一,木村昌哉(Ts)吉田隆一(Bs)

田村夏樹,福本佳仁,渡辺隆雄,城谷雄策(Tp)はぐれ雲永松,高橋保行,古池寿浩(Tb)

ケリー・チュルコ(G)藤井郷子(P)永田利樹(B)堀越 彰(Ds)



時間も入っているのでわかるように、16:00演奏開始で20:30が最後のセットの開始時間。さすがにこれを見た時はどうしようかと思った。オレは長い時間ライブを見るのは得意ではない。確かに昨年の藤井オケのライブで、「来年CDリリース記念ライブをやるのでスケジュール空けておくように」と藤井さんがMCしてたけど、その時は当然藤井オケのライブだと思っていた。だけどこれ。

で、まあ、考えて、とにかく今回は2ndのFirst MeetingにNels Clineがゲスト参加というかなり惹かれるセットもあるし、1stのGato Libreもピットインで見る機会のないバンドなので、この2つのセットを見て、疲れていなかったら3rdのma-doまで見よう。そして東京オケは今回はスルーしてもいい。と決めた。



ここ数年、ピットインでの藤井さんのライブは大体見ているけれど、こんなに人が入ったのは初めて見た。立見がいるような状態。1stで田村も「1年分の客」と言っていて、普段からこの半分でも来ていれば、、、と、外様のオレも思ってしまう。



田村のバンドという事で、飄々としたイメージを持ちそうになるGato Libreは、叙情的な演奏をする。無国籍という言葉が書いてあったけれど、昭和の歌謡曲が色々取り込んできた音楽を引きずっているような印象。なのでこのバンドを聴くと、余計に日本らしさを思う。津村のギターは多弁だけど甘く、是安のベースは美音の響き。ピアノと違ってアコーディオンを弾く時の藤井さんの音は物悲しく、普段の音からは素朴な田村。



インプロなFirst Meetingは、昨年見たライブの中でも最も印象的な演奏をしてくれたバンドの1つ。今回はClineが加わる事で、同じギターのKelly Churkoとダブるのだけど、それでもここに組み込んでくる辺りは藤井さんの性格と思えるけれど、でも、ここしかない気もする。

突出したギタリストとして名をはせるClineだけど、各々が個性的な演奏者という事もあって、この演奏では特にClineのみが気にかかるという事は無かった。このバンドではアヴァンに切り込んでくる田村や強く音をねじ込む藤井さんが聴けるし、山本もフリーになるほど面白いタイプで、ジャズ的ではないドラミングと小物の取り扱いは面白い。そしてChurkoは、既に多く知られているアヴァン系のギタリストとは異なる音を持っていて、そういうギタリストをそれなりに聴いてきたので思うのだけど、多分ここから10年ぐらいの間にChurkoは大きな存在感を見せてくるはず。そしてClineは、録音物で聴かれる存在感は感じなかったけれど、Churkoの音と違うところをあえて弾く様な感じもあって、ちょっと余裕な雰囲気。



とりあえず見たかったセットを見終えて、でもまだ余裕があったので3rdのma-doも見る事にした。昨年は1度しか聴けなかったので、このバンドも久しぶりな感じ。

結果的に、今夜の4つのセットでこの3rdが一番面白かった。最もジャズなバンドなのだけど、そういうスタイルなのにプログレッシヴという言葉があてはまる。とは言ってもプログレとは違うし、そういう音のファンにはアッピールしないと思うけど。ベースの是安とドラムの堀越はカルテットに比べれば知名度的なインパクトに欠けるけれど、わかりやすいインパクトも無いのだけど、このリズム隊の音が出す音はいつまでも続いてくれても飽きる気がしない。早く、さっさとこのバンドの次のピットインでのライブが見たい。



そして、まあ、ここまで見たのだから結局4thセットも見る事にした。

前にも書いたけれど、オレは藤井さんのバンドの中でオケだけがそんなに気に入っていなかった。だけどChurkoが加わった事で変わった。Churukoのメタリックでちょいノイズなギターがオレの気分を変えた。今夜も勿論そうで、それによって他の音も面白く思うようになった。そしてやはり吉田のバリトンの咆哮は魅力的。全体にはこのバンドの持つ悪ノリな面が出ていたライブだったけれど、それも、このバンドの持ち味か・・・。



という事で、結局最後まで見て同時リリースの4枚のCDも手にした。そうなるのも仕方ないよな。