Marvin Gaye

晦日と元旦が好きで、という話は前にも書いた。まあとにかく、昼間にベランダに出て目の前の道路が青信号の間1台も車が通らなかったりするのはこの時期だけ。東京の動きも止まる。

元々この時期が好きだったわけじゃなくて、ガキの頃はどちらかと言えば嫌い。それは親戚の集まりがあって、そういう場に顔を出さなければいけない決まりごとがあったから。だけど家族という枠から外れた状況になってからは、この時期にボーっと過ごせる事が何よりも嬉しい。



晦日ダウンタウンとか格闘技のTVを見ているのだけど、元旦の今日は天皇杯以外はTVを見る必要が無い。なので色々聴く。頑張って聴いてなかったものを聴いたりせずに、この雰囲気で聴きたいものを再生。Marvin Gayeの『Dream of a Lifetime』。このアルバムはオレが初めて聴いたMarvineのアルバム。佐野元春が好きだったオレは、「Down Town Boy」の「Marvine Gayeの悲しげなソウルにリズム合わせて行けば」という一節が気になった。Marvineを知らなかった。そして同じく佐野ファンの同級生も気にかかっていたらしく、同時期にMarvineのアルバムを手に入れた。同級生は『Midnight Love』で、オレが『Dream of a Lifetime』だった。申し合わせたわけじゃなくて、たまたまそうなった。2人とも『What's Going On』とか『Let's Get it On』じゃないのは、当時、その辺のアルバムはプレスされていない状況だったから。ソウルという音楽もろくに知らないまま、『Dream of a Lifetime』を何度も聴いた。R&B的じゃない、ストリングスを取り入れた楽曲も区別無く聴いた。同級生とお互いの手持ちを交換して聴いたりしたけど、ライナーを読んで『Midnight Love』の方が偉いという事も知ったのだけど、それでもオレは『Dream of a Lifetime』に満足していた。その記憶を時々思い出して『Dream of a Lifetime』を再度手にしようかと何度か思ったけれど、いつもamazonのカートで保留にしたまま。それを、やはり聴きたいと思って久々に手にした。届いたのは大晦日



オレのお気に入りの子がとある理由でMarvine Gayeが嫌いだと言っていた事を思い出す。もうその子と会う事は難しいので、もうちょっと熱くMarvineの事を語っておくべきだったと思ったのだけど、そうしても鬱陶しいだけだよなあとも思いつつ、久々の『Dream of a Lifetime』。自分の思い出を美化する為にこれを聴く事を避けていたような気がするのだけど、そういう事はツマラナイ行動だった。立て続けに『Midnight Love』と『Romantically Yours』も再生。ここから入っているオレは、このCBS期のMarvineを気に入っている。モータウン期よりも気に入っている。別にカタログに従う必要は無い。







Marvin Gaye 『Dream of a Lifetime』







Marvin Gaye 『Midnight Love』







Marvin Gaye 『Romantically Yours』