内橋和久 生誕半世紀記念 3DAYS: 内橋和久&ドラマーズ

今年はAltered Statesの3daysは無しとか。昨年の初日と二日目の入りを思い出すと仕方ないか。三日目のアルバム再現プロジェクトは結構入るのにな。とか考えながら『内橋和久 生誕半世紀記念 3DAYS』の初日を見にピットインに向かう。

着く。予想外に開場待ちの人達がいる。ちょっと驚く。で、結局立見も出るほどの盛況。へえ・・・。



内橋はステージの前方中央で客席に背を向けて、それを取り囲むように4つのドラムセット。内橋と4人のドラムの共演。1stは内橋とそれぞれがデュオ。まずは内橋vs本田珠也(客席から見て左から2番目)。初めての共演だとか。ジャズな本田とアヴァンな内橋。本田は生真面目にパワフルにビートを入れ込む。内橋はらしくエレクトロ気味のギターをかます。さすがに内橋主導だったのだけど、終盤に来て本田が先導する。内橋もあまり聴いた事の無いような瞬間があって、これって引き出されたんだなあとか思った。

続いては内橋vs芳垣安洋(客席から見て一番左)。言うまでも無く長年の共演者。流石に余裕の芳垣は擦り摩りを交えて臨場感を作り出す。内橋の上げ下げを上手くコントロール。さすがです。

予想外に疲れるとのことで、ここで一番疲れる相手という事で内橋vs吉田達也(客席から見て右から2番目)。このコンビではCD8枚分の録音があるので、勝手しったるという感じ。この2人は変体同士で同期する。

そして最後に内橋vs外山明(客席から見て一番右)。内橋いわく「オレの知っている中で一番バカ」と・・・。勿論誉め言葉だと思うのだけど、さすが関西人。で、このコンビの演奏は結構見てる。こっちも変態コンビだけど、同期しない。この外しが外山。やっぱこの人はおかしい。



2ndは内橋とドラム×2。まずは内橋vs芳垣vs外山。左端と右端のドラムが内橋をとばして叩き合う。というか、芳垣が外山に合わせようとする。それを外そうとする外山。なにやってんだか・・・、面白すぎ。

そして内橋vs吉田vs本田。こっちはかなり激しくビートが乱立。このほうが勝手がよさそうな本田は、千手観音な吉田の叩きに正面から叩き込む。白熱。感化された内橋もSonny Sharrockを思わせるアグレッシヴ。フリージャズだなこれは。

そして内橋vs芳垣vs本田vs吉田vs外山。ギター1人にドラム4人。こんな組み合わせ前代未聞じゃないか? で、ドラムが4人もいれば誰か手を抜くかと思ったら間違い。刺激されて激しくなる。外山のパーカッシヴなフレーズをONNの様に4人が合わせたり、その外山が本田の真似をしたらまた他もそれを真似たりという面白もありながら、混沌と激しく進んでいく。だけど何故か目茶苦茶にならず、いや、もしかしたら目茶苦茶になってたのかもしれないけれど、この規格外なセッションの面白さは、「見れてよかった」という感想でまとめるしかない。



アンコールは内橋のドラムソロ。前に内橋と外山のデュオで持ち手を交換してすぐに止めたのを見たことがあるけれど、それに続いての内橋のドラム。これが意外にもブルージーな叩き。という事にしておく。



こんなライブだったので、今夜は日本のライブハウスで面白いドラムが足りない日だったはず。