Nik Bartsch's Ronin + Imre Thormann

日曜にライブを見るのはちょっと億劫。なのでホントは昨夜見るつもりだったのだけど、今夜に変更。優先順位で言えばこっちの方が高いのだけど、ずらす事が可能だったのでそうする事にした。
昨年の暖かい時期に見たNik Bartschのソロ+Nik BartschとImre Thormannの共演。1stがBartschのソロで、2ndがBartschのピアノと舞踏家のThormann。ピットインでパフォーマンスを見るというのも変な感じで面白かった。今回は本命のRonin名義で、さらにBaertschとThormannのデュオもある。結構豪華。
とりあえずRoninの面子をコピペ。
Nik Bartsch or Nik Baertsch (p, Fender Rhodes, DX-7)
Kaspar Rast (ds)
Bjoern Meyer or Bjorn Meyer (b)
Andi Pupato (Per)
Sha (bass/contrabass clarinet)
ECMからリリースされた『Stoa』と『Holon』しか知らないけれど、2枚ともジャズでありながらミニマルな雰囲気を持った演奏で、一聴のインパクトより、幾度も耳にしたくなる吸引。
1stがBartschとThormannのデュオ。前回も見たのだけど、そういうモノを見たのがそれが初めてで、それ以降は今年の初頭に見た田中泯ぐらい。どちらもインパクトは強く、画として頭にある。
真っ暗になったピットインのステージにBartschとThormannが入ってくる。それでも照明は暗いまま。そんな中Bartschはピアノを弾く。ミニマルに音が連なる。その音にあわせるという意味とは違う動きで、少しずつ形が変わるThormann。徐々に照明が強くなることで白塗りのその姿が確認できる。その動きのゆっくりが、表現するものの色々が込められている気がして全く目が外せない。そしてBartschが音を止めた時は、弱音系のセッションよりも緊張感。即興なのかどうかオレにはわからないけれど、音楽だけのセッションには無い空気感は鳥肌モノ。
1stが凄かっただけに、2ndのRoninに少し危惧。だけど、全く方向の異なるRoninによる2ndは、CDではわからなかったこのバンドの持つグルーヴにやられる。例えばこの間のJaga Jazzistの開放的な演奏もいいのだけど、Roninの一見静かな、だけど継続されるグルーヴは全く飽きない。
正確にリズムを刻み続けるRastのドラム。同じくリズムでありながら多彩な音色のPupatoのパーカッション。もしかしたら唯一ジャジーな音色ともいえるバスクラとBクラリネットのShaも、ジャズ的なソロ・スペースは殆ど無く、まるでMorphineのバリトンの様にフレーズを吹き続ける。そして、勿論バンドの核はBartschなのだろうけれど、Meyerは6弦のベースをギターのアプローチで聴かせたり、フレーズせずにかます時の5・6弦での音がゴリっとしていてかなり強く、バンド全体の音のキーはMeyerが持っているように思えた。
Roninは予想以上にカッコいいバンドで、ジャズとかECMという枠で見てしまうと勿体無い。もっと広い層に受け入れられる要素は強い。
今年は今日までに100本を超えるライブを見てきたけれど、その中でも今夜のこのライブは最も印象的なものの一つ。