喜納昌吉 & チャンプルーズ

Ry Cooderのライブが近づいてきた。日本では14年ぶりだとか。ハコとチケットの値段にどうしようか?と思ったけれど、オレにとってはやはり1度は見ておかないといけない人。ここ数年アメリカーナもよく聴いてるし。出遅れたのでろくな席は無いだろうと思ったのだけど、流石に東京3days+1なので、まだそんなに酷くもない。その中で一番気に入った席を選んだ。楽しみ。

連名のNick Lowe。名前は当たり前に知っているけれど、CDを買ったりした記憶は無い。なのでこの機会に何かベスト盤でも聴こうかと考え中。



『ロビンソンの庭』の件もあったので、久々に喜納昌吉 & チャンプルーズの『Blood Line』を再生。よく知られているように、このアルバムの数曲にRy Cooderが参加している。だけどこのアルバムでもっとよく知られているのは、「すべての人の心に花を」の1stバージョンが収録されている事。

色々高い評価を受けているアルバム。だけど、個人的にはそれほどでもないだろうと思っている。というのも、ここでの音作りはパームワイン音楽にさせられていて、RCはスライド・ギターを持ち出すことでハワイ音楽の様にしている。三線の音をそういう楽器で偽装。基本、三線と歌の関係が沖縄の音楽の骨格なので、それを端折ってしまった格好。収録されている曲も「じんじん」と「ミミチリ坊主」はわらべ歌なので、ぶっちゃけ沖縄出身のモノにとってには「なんかなあ」というものだったりする(「花のカジマヤ」は原曲とかなり違う)。まあ、『にほんのうた』を先取りしているという取り方も出来るけれど、狙いは明らかに大和と海外。内向きの視線は欠落。でも、その音作りだからこそ「すべての人の心に花を」は色々なところで受け入れられる録音になったはずで、その功罪があるから面白いといえる面も有。

このアルバムを知る事で、例えばYoussou N'Dourが外向けと内向きに違うアルバムを作る事の意味がよくわかるし、音楽のグローバル化がどういう事なのかを知る材料として、個人的にはかなり有用。

このアルバムと知名定男の『赤花』、音楽的野心がどちらにあるのかは、聴けば一目瞭然。ただし、成功したかどうかは別の話だけど。





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喜納昌吉 & チャンプルーズ 『Blood Line』