John Russell & Sabu JAPAN Tour

昨夜、CD聴いたりブログ書いたりしながらネットをうろついて、John Russellが来日する事を知る。慌ててスケジュールを調べる。東京では3回のライブ。だけどどれもオレには足が遠い。その中でなんとなりそうだったのが八町掘の七針というとこ。なので昨日の今日でその七針。

二桁に満たない客数。しかもほぼ関係者。イチイチ驚かない。こういうモノだろうと予想している。フリー・インプロのギタリストとしてDerek Baileyと近いスタイルの持ち主なのに、こういう音楽の客は少ない。残念だけどこれが現実。



恐らくRussellを召還したのは豊住芳三郎。この2人で今夜から地方も含めてライブツアー。オレにとってはあの阿部薫との共演歴のあるドラマーという認識から、2年前だったか、Russellとのライブを見て、その後高橋悠治とのライブも見て、フリージャズからフリーインプロにシフトした面白い音を出すオッサンとして見るようになった。



実は今日は仕事でブチ切れ寸前になり、音楽に接するコンディションとしては最悪だったのだけど、それでもRussellのギターを聴く機会なので無理をした。

Russellと豊住以外に笙の石川高とギターの康勝栄。この康という人は全く何の情報も無い。



4人揃ってのインプロが最初の演奏。Russellがギターを爪弾く。オレが今までにライブで聴いた、どのギターよりも説得力のある音色。なんか、余計な事はいい。その後石川がオミットしたり康が抜けたりして、3つの演奏でセットが終わる。ドラムセットを組みながら、ビートを編みこむわけもなく、音を叩き続ける豊住。Russellの活かす様に沿いながら柔らかい音色の康。そしてONJOなどでは何度も見てきた石川の笙が間近で特別な音色。

2ndはRussellの無伴奏ソロから。勿論、これがオレの何よりの望みで、もう、なんかどうでもいいぐらい惹かれる。ある意味、ライブのBaileyを聴く事が出来なかったという事の代理としてRussellを見ていたのだけど、そんな必要は無くなった。RussellはBaileyほどストイックにならずに、多彩にインプロしてみせる。やり方は似てても異なる。この音が目の前に来る事の感情は、例えが難しい。

続いてRussell以外の3人で演奏。ここでは弱音的に緩やかに演奏が進む。その雰囲気を壊さずに進む演奏は、落とし所を考えていないように見えて、ささくれの無いアヴァンギャルドという趣。

最後は再び4人揃う。豊住は二胡に持ち替え、康はここでのイメージと違った強く掻き毟るような音を使う。豊住に呼応するような石川。そしてRussellは全てを意に介しながらスタイルを変えることなく、それでも枯渇しない音のイメージが尽いていなかった。



地方の方が東京より客を集めて欲しい気がする。こんな機会はもったいない。ぶっちゃけ、オレが今までに見たライブの中で、一番面白いギタリスト。断言。