Kevin Ayers

サインを書いてもらうという事がどれぐらいの頻度で行われるのか知らないけれど、オレはこれまでに3回サインを貰った(勿論受取とかのサインじゃない)。内1回は本、町田康。CD(当然ブックレットにだけど)は今のところ最新が6〜7年前に貰ったKip HanrahanとDeep Rumbaの2人のサイン。これは渋谷タワレコでミニ演奏会をした後、CDを買った人にサインという事で、そこでCDを買ってサインを書いてもらった。サインの相手が女性の時は嬉しそうで、相手が野郎の時はそっけなかったけど、その辺はさすがラテンな音楽をやっている連中という感じ。

初めてがKevin Ayers。これは結構前の話。『Still Life with Guitar』がリリースされた時に来日して、その『Still Life with Guitar』を新宿のディスク・ユニオンで買った時にミニ演奏家+サイン会の整理券が付いてきた。その時店員に「絶対行って下さいよ」と脅された事を思い出す。場所は下北のユニオン。Ayersと同伴のギタリスト(今思うと多分Ollie Halsall)が演奏。こんなに近くでこんな人の演奏を、しかもただで聴ける幸福。そしてサイン会が始まり、Ayersの横に座った日本人が一人ひとりに名前を聞いてアルファベットで書き、それを見てAyersがサインを書く。皆が表側かブックレットを開いて書いてもらう中、オレはケースを分解して裏ジャケにサインを貰った。その方がサインがキレイに残ると判断。そして握手をしてもらう。その時、一応「Thank You Very Much」と言ってみた。すると軽く微笑むAyers。このCDは手放せない。



その後、Ayersを知る事になった『Falling Up』はプーの時に時に手放した。数年後後悔。また聴きたいと思って探して見つける中古は妙に高い。廃盤になっていた。そのうち妥当な値段で手に入るはずと思っていたのだけど、なかなかそうならない。そうこうするうちにネットが当たり前になり、それを使って探しても良い結果にならない。海外に目を向けてもamazon.comマーケットプレイスはちょっと高いし、co.ukで安いのを見つけても海外発送はしないと断られる。いいかげんリマスターとかでも出るんじゃないかと思ったのだけどそうならない。自業自得。それを先々週だったか、レコファンで見つける。輸入盤の中古で、しかもジャケットはかなりダメージがあるし、CDも腐食している。そんなの普通は¥100ぐらいなものなのに、¥1,050だった。購入して持ち帰り、無事リッピングが出来てとりあえず胸を撫で下ろす。これで十数年ぶりに『Falling Up』を聴ける。即聴いた。

AyersというとSoft Machineにいたという経緯からプログレの方に分類されてしまいがちなのだけど、『Falling Up』から知ったオレはプログレの枠には違うと思っている。Ayersは渋いアダルトな声を持ったシンガーと言った方がわかりやすい。『Falling Up』以前のものも多少聴いているけれど、サイケデリックな雰囲気はあるけれど、でも基本は歌が中心。『Falling Up』は女性コーラスをも引き連れたAOR。だけどオレにとってこれは初めて知ったカッコいいAOR



amazonにはジャケットの画像が無いので、Ayersのオフィシャルを探してそこにあるか確かめる。あった。その下になんか書いてある。「re-issue comming autumn 09」。



Youtubeに「Flying Start」があった。







Kevin Ayers 『Falling Up』