The Thing + 大友良英

ピットインでのThe Thing + 大友良英2daysの二日目。今夜はゲストにJim O'Rourke。



1st、まずはThingだけでの演奏。やっぱこれ、見たかった。Mats GustafssonのサックスとIngebrigt Haker FlatenのベースとPaal Nilssen-Loveのドラム。それだけ。ゴツゴツガツガツ、進む。

続いて大友が加わるのか?と思ったらO'Rourkeも一緒に呼び出され、3人は退出・・・。大友とO'Rourkeのデュオ。これは全く予想外の展開。この2人のデュオ、あまり見た記憶無いなあと思ったのだけど、どうやら初めてだったっぽい。ここでは音響派的というかアンヴィエントというか、所謂ジャズ、それもフリージャズを求めてきた人達にとっては恐らく今回のThe Thingのライブで最も強面な演奏。ま、Thingの演奏じゃないけど。Thingが肉体的に響いてくるのに、こっちはロボトミーされるように頭に穴開けられる感触。ここで1st完了。



2ndは5人揃う。昨夜と同じ展開で、PNLとゲストのO'Rourkeのデュオ状態。違うのは方向。O'Rourkeは決して音を張り上げない。PNLもそれを気にして、ブチかましじゃないドラミング。ここでなんとなく、この後の展開は見えた。O'Rourkeは、危ないくらいに切れる時、押さえつけるようにコントロールする時、ふり幅がある。だけどThingというバンドを考慮して、多分切れる方向に進むのだろうとライブ前には思っていたのだけど、違った。5人の音が出てくる。O'Rourkeを見ると、ギターに対するアプローチは激しいのに、その音はあまり聴こえてこない。これが意図的なのか違うのかオレの場所がたまたまそうだったのかよくわからないのだけど、行けるとこまで行ってしまえな状態だった昨夜と違って、一歩先を見ながら演奏を進めているようだった。ここで2度はさまれたPNLのソロがあのパワフルな叩き込みじゃなかったのが、余計にそういう印象になったかもしれない。或いは昨夜Thingの音を思い出したから、今夜は昨夜ほど音の強さのインパクトを感じなかったのかもしれない。でも音の強弱、抑揚、そういう面白さが今夜の演奏。



本編がこういう展開だったので、アンコールはガツガツ叩きこんできた。結果、かなり色々聴いた気分。両日見て大正解。