The Thing + 大友良英

The Thing + 大友良英東京3daysの三日目。場所をスーパーデラックスに移し、今夜はゲストに坂田明



1st、今夜はどうやって構成するのか?、まずThingの演奏をやるのだろうか?、とか考えていたら、最初は大友、Ingebrigt Haker Flaten、Paal Nilssen-Loveのトリオが演奏。こうなれば大友も自分の音を前に出し続ける。刺々しいのにいい感じにバランスのとれた演奏。

続いて坂田さんとMats Gustafssonのデュオ。坂田さんのアルトとGustafssonのテナーで1曲、楽器を持ち替えて坂田さんがクラリネット、Gustafssonがソプラノの朝顔が棒状になった感じの変種なサックス。この2人のデュオ、美。ジャジーじゃないジャズ。いや、ジャジーな瞬間もあるのだけど、そういうムードに頼らない。フリーで艶やか。やっぱ美。漢字一つでいい。



2ndは5人揃って。ここは書いておくのも馬鹿らしいぐらい悪漢。変換が違う、圧巻。坂田さんという存在感の持つエンターテインメントが入り込むのが面白すぎる。こういうThing名義のライブは他では無理だろ。



アンコールも終わり、一応物販を覗く。一応というのは昨夜も物販を使ったからで、昨夜は今回のツアーの理由でもあるThingと大友の2年前のピットインでのライブがCD化された『Shinjuku Crawl』と、GustafssonとMy Cat is an AlienのスプリットCD『Cosmic Debris, Volume IV』を購入。なのについ覗く。結果、Peter BrotzmannとPaal Nilssen-Loveの『Wood Cuts』、Gustafssonの『Windows』を手に・・・。Gustafssonの無伴奏ソロ集『Catapult』がかなり好きな作品で、なのでGustafssonの無伴奏ソロな作品が欲しいという気持ちがあって、昨夜は目に入らなかった『Windows』と、それとやっぱPNLとBrotzmannの組合せは絶対面白いに決まっていると思って『Wood Cuts』、抗えなかった。GustafssonはビブラートがAylerの様であり、だけど強面な音の置き方はPharoah Sandersの様であり、それらが入り込んで強烈な存在感になっている(と思う)。細かく音を置いていかないのが、今夜なら坂田さんとのバランスにもなっていた。なんかホントにいい音。

で、FlatenがらみのCDを特に買わなかったのは、今回のFlatenがつまらなかったわけじゃなくて、つーか、そんなわけあるわけがない。Flaten絡みのCDはGustafssonのものやPNLのものより持っているというのが理由。



勝手に物販のお勧め。(まだ聴いてないけど)『Shinjuku Crawl』と『Bag It!』は当然として、Gustafssonの『Windows』(今聴いてる / 特殊奏法多め / 強面)と『Catapult』(こっちは比較的スピリチュアル)、PNL絡みなら(まだ聴いてないけど)やっぱ『Wood Cuts』、FlatenならIPAの『Lorena』。ライブでぶっ飛ばされて、勢いで物販を使う。これが正しい(?)行動。



明日からは東京じゃないところ。そこに住んでいる人は無理してでも足向けといた方がいいと思います。Atomicに吹っ飛ばされた人も、ThingでのFlatenとPNLがどう変わるのか、面白いです。



三日で終わってくれてよかったな・・・。一週間東京でやると言われたら、一週間見に行きそうなオレ・・・。三日でも財布はガラガラ・・・。