Alan Silva & the Celestrial Communication Orchestra 2009

なんとなく昨夜より早めに行こうと思ったのだけど、結局昨夜と同じ時間の大江戸線。かなり深い大江戸線。昨夜はエスカレーターを全部上ったのだけど、今夜はもいいやと言う気分で普通に乗った。だけどスーパーデラックスに着いたのは殆ど同じ・・・。



面子は昨夜と同じくSDLXからコピペ。カタカナの人名はアルファベットに変えるのも昨夜と一緒。

Alan Silva (conduction, synth)、田村夏樹 (trumpet)、辰巳光英 (trumpet)、古池寿浩 (trombone)、坂田明 (alto saxophone, clarinets)、梅津和時 (alto saxophone, clarinets)、川下直広 (tenor saxophone)、吉田隆一 (baritone saxophone)、太田恵資 (violin)、Jim O'Rourke (guitar)、谷川卓生 (guitar)、八木美知依 (20絃箏、17絃箏)、藤井郷子 (piano)、井野信義 (contrabass)、Todd Nicholson (contrabass)、小山彰太 (drums)、本田珠也 (drums)



面子的に昨夜との違いは、2人いるドラムの1人が本田に変わり、サックスの川嶋哲郎が川下に変わり、そして2人のチューバがはずれてヴァイオリンの太田が加わった。

すぐに気づくのは管楽器のアンサンブルが昨夜より揃った事。これは1回ライブをこなした事によって、Silvaがアンサンブルを指示するタイミングが予想できるようになったって事?



1stの方が賑々しく演奏が進んだと思う。初めてライブの音を聴いた川下。オレが初めて日本人のジャズのCDを買ったのは多分阿部薫の『Last Date』だったと思うのだけど、その次がFedayienの『First』だった(気がする)。坂田さんや梅津さんの音よりも先。だけどFedayienのライブには行けず、そうこうするうちにタイミングを逸し、今日まで。その川下が他のサックスに負けない存在感。なんか嬉しい。

前夜ほどは吹かない吉田は、フルートも吹いたりして色付けも貢献。

坂田さんは前夜に引き続き大きくフィーチャーされた。金切り声を上げ続けるアルト。今年も何度も聴いているけれど、また聴きたい。

梅津さんも多彩に色々。あの梅津さんの独特な斜めに構えて吹く姿って、目つきも含めてセクシーじゃないですか?

田村は昨夜よりも指を使ったソロ。こういう演奏の方が余裕を持ってやっている感じなのが不思議。

スピード感を殺した古池のソロは、派手さは無いのになんかツボだったりする。

そして辰巳は、2ndで大きな音で叙情的なソロ、それが今夜のハイライトの一つ。



ドラム&ベースの4人は他に比べると少々印象が薄い。というのも、ソロスペースでの主張というより、集団演奏部分での働きが大きかった印象。

Nicholsonは昨夜の演奏で「ジャズな人だな」と思わせるところがあったのだけど、今夜はあまりそういう印象はなかったし、井野さんも昨夜ほどのアルコな時間は無かった。ドラムの2人はベース以上に全体を見ていた感じで、そこに神経がいっていたと思う。大ベテランの小山さんは余裕な雰囲気もあったけれど、昨夜の山本と今夜の本田、ピットインで聴く時はもっと強い個性が聴ける。まあでも、リズム隊が目立たずともしっかり仕事することで、他のソリストが浮き上がってたし、集団即興なところの迫力はこの4人が作ってた。



谷川、昨夜はサイン波な音しか覚えていないのだけど、今夜はギターもそれなりに入ってきた。手元でエレクトロニクスを扱うからか、ギターはほとんどエフェクトしてなくて、単音でラインを弾くとジャジーな雰囲気。ジャズの人じゃないのにな。

O'Roukeの音も明らかに増えていて、あのアグレッシヴな音もいいのだけど、2ndの、どんどん静かに演奏を変えていくところがらしくて良い。熱気をコントロール

そのO'Rourkeに八木さんが音を絡めていく所、ここもハイライトの一つ。欲目を外す為に意図的に八木さんの音を追わないようにしていたのだけど、気になる音が入ってくるとそれが結局八木さんということが何度も。

藤井さんはあまり音を出していない感じだったのだけど、ドシャメシャに近いソロを決める場面が余裕。

昨夜はヴァイオリン自体が無かったので、太田の音は新鮮。アルコな音がするのでベースの2人を見るとそっちじゃなくて太田の音だったり。ヴァイオリンの持つ優雅な響きを特権の様に扱っていた。



Silvaは2ndで客席を弄ったりしながらコントロール。でもシンセを結構ガシガシ弾く場面もあって、やっぱ基本演奏者だよな、と。



全体的な雰囲気はOrnette Colemanの『Free Jazz』とかJohn Coltraneの『Ascension』の様にソロとコレクティヴを行ったり来たり。実はオレ、大きな編成の演奏があまり面白く思えないことがあって、なのでオケとかになると少し身構える。例えば藤井さんの東京オケのライブもあまり見ていないのはそういう理由だったのだけど、藤井オケも今年のライブではギターのKelly Churkoが加わったことによって面白くなったし、このSilvaの2daysも、楽器の編成が面白いしジャズな語彙とは違ったものを持った演奏者がいる事で色々していて、それで気になって聴き続けているとセットが終わっていた。



物販使う気はなかったけど、やっぱりSilvaのなんか買っておこうと思い、映像作品のDVD(-R)を購入。しかしこれだけ演奏者がいるとCDもかなりの種類置いてあって、小さいセレクトショップのようだった。でもあんなにあると、客はなかなか選べないかも。