Alan Silva & the Celestrial Communication Orchestra 2009

朝、仕事に向かう時から『絶望大快楽』を聴いていた。朝からThe Stalin。完全に昨夜を引きずっている。昼休みもその状態。スーパーデラックスに向かう時もその状態。



今夜は開演予定時間前に着く。と言っても、ほんの1〜2分ほど。今夜は縦長のセッティング。それと、予想してたより客が来ていていい感じ。すぐに東京エールを手にして、1本ぐらいはタバコ吸えるだろうと火をつけて、1〜2分ほどすると演奏者がステージに入ってきた。あと1分ぐらいで火を消さないとと思っていると、「今日は演奏中は禁煙ですよ」と注意される・・・。いや、知らんかったけど、でも別に演奏中禁煙じゃなくてもオレは演奏聴いている時はタバコ吸わない。だけどそんな事その人が知るわけも無く、というか、知ってたら怖いわけで、「あ、はい。すみません。」とタバコを消す・・・。そういや昨夜もアンコール時、違うところから見ようと場所を変えて演奏を聴いていたら軽く背中を叩かれる。なんかの間違いだろうとシカトしたのだけど、もう一回叩かれ、「何?」と思ったら横に来てニッコリ微笑みながら手拍子している。ああこれは手拍子を促されているんだなと気付き、ハイハイと手拍子をするオレ・・・。でもオレ、曲に合わせて手拍子って凄い苦手です。今夜も昨夜もおとなしく従ったのは、どっちもキレイな顔をした女性だったからではない。大人だから、だ。



余計な話はサクッと書ける。今夜の面子はめんどいのでSDLXからコピペ。でもカタカナの人名はアルファベットに変えた。

Alan Silva (conduction/synth)、田村夏樹 (trumpet)、辰巳光英 (trumpet)、古池寿浩 (trombone)、坂田明 (alto saxophone, clarinets)、梅津和時 (alto saxophone/clarinets)、川嶋哲郎 (tenor saxophone)、吉田隆一 (baritone saxophone)、高岡大祐 (tuba)、関島岳郎(tuba)、Jim O'Rourke (guitar)、谷川卓生 (guitar)、八木美知依 (20絃箏/17絃箏)、藤井郷子 (piano)、井野信義 (contrabass)、Todd Nicholson (contrabass)、小山彰太 (drums)、山本達久 (drums)



まずスジとして今夜の主役のAlan Silva。そのキャリアの初期にフリージャズの名盤と呼ばれる作品にベーシストとして参加しているのだけど、今夜はコンダクターで、Milesがやったように演奏の方向付けの為のシンセ。だけどそのシンセは音色で魅了する場面もあったし、少しの決まりごとは身振り手振りと声でコントロール。これだけ豪華な面子を動かす理由としての存在感があった。

イチイチ全部思い出しているととんでもない事になるので絞る。とにかく八木さんの音の印象が大きく残っている。1stの演奏の始まりは八木さんからだったはずで、あの独特の硬い音色が聴こえてきてゾクゾクとした。全体の演奏そのものは管楽器陣のソロやアンサンブルが目立つのだけど、音数を減らし八木さんの箏が浮かび上がってくると、他の演奏者との語彙の違いが良くて、これはSilvaもこの音を面白く思ってこういう方向にしているんだろうと、勝手に決め付けた。オレが八木さんのファンだからという欲目ではなく、というか、今夜は好きな演奏者だらけなのでそんなわけない。とにかく今夜は八木さんの音の出所。

それに負けないのが井野さんのアルコ。勿論ピッチカートもいいのだけど、今夜の井野さんのアルコは厳しくて美しい。

そして田村のソロも強烈。少しユーモラスに音を発するのだけど、指のテクニックじゃないソロは、やっぱオレは自分が聴いたことのあるラッパ(MCの事ではない)で一番好きなのはこの人だと再確認。

こうやって続けると止め処なくなるので止めとく。でも例えば前に出る場面は少ないながらもピアノやアコーディオンで気を引く藤井さんや、かなり熱っぽくなっていた吉田とか、、、印象に残っているのは色々。



明日は少し面子が入れ替わる。それによって演奏の方向も変わる予定という事を耳に挟んだ。例えば今夜、2ndの冒頭のヤバイソロぐらいしか印象に残っていないO'Rourkeや、今回のSilva来日のキーマンの谷川の音も明日は遠慮しない可能性がある。



という事で昨夜を引きずりながら結局演奏が始まったら今夜に嵌った。色々見るのは楽しい。楽しすぎる。