■ENSEMBLES 09 スペシャル・コンサート■

今夜からピットインで大友良英4days。4日もあると1日ぐらいは行かない日を設けたい。パッと4daysの内容を見て、2日目と3日目は何が何でも行くので、初日か最終日を外すことを考える。2年前なら躊躇無く最終日のONJOを外すのだけど、今はそうじゃない。で、初日がなんかサントラなセットと何故か大友の参加していないバンドのセット。これを外そうと思ったのだけど、よく見ると3セットになっていて、3セット目にPhewが加わると。「は?、Phew? マジで? というかなんで?」。まだ見ぬPhew。理由が出来た。



1st、『ウルトラミラクルラブストーリー』という映画のサントラのセット。大友以外はピアノの江藤直子、マリンバと小物の高良久美子、サインウェイヴのSachiko M、笙の石川高。そしてゲスト扱いで鳴り物の横浜聡子と中野朝子。

久々に座っている人が椅子を持ち上げて前方に少し移動するほどの混み具合。そんななのに、ステージ脇じゃなく客席後方から音を鳴らしながら入場・・・。

多分映画のメインテーマ的な曲を奏でる。楽器構成的に、アグレッシヴ。微妙な空気感がなんともいえない。全く知らない名前だったゲストの2人、なんと『ウルトラミラクルラブストーリー』の監督とプロデューサーとの事。服装といい髪形といい身長といい、なんか妙に似てた2人組み。笑うでもなくビビるでも無く、淡々と何かを叩いている。更に横浜さんの歌唱による「銀色の道」もあり、ちょいやりすぎ。それがおもしろい。だけどこのセット、その「銀色の道」の次の曲が印象的。如何にもサントラな曲なのだけど、高良さんのマリンバが印象的なフレーズを断片的に入れ込む。

このセット、全体的には終始石川の笙が音楽をリードしているように思え、さらにこういう編成での松原さんの音はピッタリはまっていて、結局かなり楽しむ。



2nd、Giulietta Machineというバンド。どうやら江藤さんがリーダーのバンドらしく、他にギターの大津真、ドラムに藤井信雄、サポートでベースの西村雄介という編成。どんな音楽をやるのか全く知らない。

始まる。小洒落た音楽。大友メインのライブでそういう客相手にこの音・・・、カッコいい。久々にこういう小洒落た演奏を聴ける羽目になった。

フュージョンとかクラブなジャズとか、そういうものを連想する。10年ぐらい前のオレが好んで聴いていた系。それをピットインで聴く予定は無かった。これならブルーノートでもOK。とか思えるぐらい、気持ちのいい演奏。が、時折そういうところから外れる。大津のギターがかなりアグレッシヴに音をだしたり、フレーズする江藤さんのピアノが変なタイミングで急に止まったり。さらに、西村のベースはレゲエの様な重低音で音数を使わないし、藤井のドラムもジャズのそれとは違って、渋いのだけど妙にラテンな雰囲気。見た目の小洒落た感じとは違う。印象に残る。帰りに物販で最新アルバムの『Cinema Giulietta』を購入。このバンド、かなり好き。



そして3rd。いよいよPhewの登場。Giulietta Machineの面子に加えてPhewと大友、更に途中で加わって抜けるのだけど、高良さんと松原さん。

このセットで大友がPhewに弄られる。さすが関西人、弄り方が上手い。なんども笑わせる。立って弾けだの、同情を引こうとするだの、アンコールではギターのピックが多い事に気付いて「無駄な力を使っている」と。ここまでやり込められる大友は初めて見た。

ちょうど一週間前、さがゆきさんの歌を聴いてPhewを思った。そのPhewが同じ場所で歌っている。CDで何度も聴いてきた、あの独特の歌い方。それでPhewが歌っている。音楽としてパンキッシュではないのでそういう歌い方は無いのだけど、Novo Tono山本精一との連名作で聴けていたあの雰囲気。Giulietta Machineの曲も歌い、それはちょっとボサっぽい感じで江藤さんとのデュオなのだけど、小洒落た感じの曲なのにそうさせない。Phewという存在感。

勿論物販でphew×bikkeのカセットも購入。CDじゃなくてカセットという拘り。これ、ライブの物販以外ではPhewのやっているネット上の雑貨屋で手に入ります。