Henry Cow

プログレはあまり好きじゃない。と、何度も書いているけれど、何度も書くのはとにかくなんとなく幾度と無く、それを言っておくことで自分を確認したいという理由。だと思う。



それでもなぜかKing CrimsonはOKで、そしてSoft Machineは結構好きで、そしてHenry Cowも気に入っている。KCは他のプログレといわれるバンドに比べてロックのニオイが充満していると思っていて、SMはジャズ的な演奏のアプローチを持っている事と、Kevin AyersとRobert Wyattが所属していたという事も理由として成り立つ。そしてHCは、このバンドがアヴァンギャルドと呼ばれる音楽のルーツ的に音を鳴らしているという解釈をさせてしまう事、それが未だに色あせないどころか、そのアヴァンが今でもここにあるものを参照して音楽を作っているとしか思えないものが多くあって、その使われている部分と使われていない部分とを見ていると、当時左派であったであろうこの音楽は、今でもそこにしかいられない雰囲気がある。



という事でHenry Cowのボックスを購入。基本的に未発表だったライブ音源を集めたCD9枚組+DVD1枚というモノ。これのリリースを知った時にはReRで予約した場合にのみ付くというボーナス・ディスクは手に入らない状態で、しまったと思いつつ、Disk Unionのみでリリースされる国内盤はそのボーナスCDが付くと知り、それの予約がいつなのかやきもきしながらなんとか手に入れた。紙ジャケじゃなくてビニールを使ったパッケージになっているのだけど、これ、放っておくと数年後にはくっつくよな。あと、リマスターされた紙ジャケなバージョンのオリジナル作が収納できるようにスペースが確保されているのだけど、いろんな意味で余計な事。ジャケットにミスも有る。



そしてやっとの事で『The Road』を聴ききった。やはりここの音は今のアヴァンのライブの場で起きている現象と違いは見当たらない。音響派みたいなものも、ここで確認できる。というかこれ、やっぱりいわゆるプログレというジャンルから外したいものが多い。

勝手にHCをアヴァンの最初だと定義して考えると、アヴァンは始まった頃から変わっていない。それはここにあるものが今でも先鋭的であるという意味と、これの模倣と思えるものが見当たったりすると思えるからで、まあ、真に前衛的と言えるものは、そういう事なのかもしれない。



ついでにスタジオ録音盤も久しぶりに聴きなおし。こうやって聴くと、結構今の吉田達也を中心とした日本のアングラなプログレと似ている。ライブ盤ではアヴァンなのに、スタジオ録音は割りとコンパクトに完結している。HCの大体が気に入っていると思っていたのだけど、それは記憶違いで、多分『Concerts』だけがオレにとっては面白いものだったのかもしれない。そこに『The Road』が追加。



DVDはこんな感じ。



公式にリリースされたモノをこうやってアップされるとなんかなあと思うけれど、貴重な映像だし、1度目を通しておくのは必要だと思う。





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Henry Cow 『The Road』