Motif in Japan 2009: One Night Stand!

北欧の、アコースティックなクインテット。所謂北欧ジャズが日本でも注目されだした時に名前が出てきたバンド。Motifについてはそれぐらいしか知らない。3年半前の来日時にもそれを知っていたけれど、特に興味を持てずに足を向けなかった。だけど今回の来日を知って、面子を見るとピアノにHavard Wiikの名前。ただでさえAtomicと被っているイメージなのに、ピアニストを共有するなんていい度胸だな。と思って、今夜のピットインに行って見る事にした。



前回の来日が2daysだったはずなので、それなりの客入りを予想してたのだけど、「うーん」という感じ。火曜というのは日が良くないけどさ、Atomicにあれだけ人が来るのに、今夜しかライブの無いMotifにこの入りってのはちょっと寂しい。



このバンドの面子を見て、Wiikぐらいしかわからなかったのだけど、ドラム&ベースはそのWiikのトリオのドラム&ベースらしく、という事はちょうど2年ほど前にそのライブを見ている事になる。すみません、北欧の人達の名前は覚えにくいです。Atomicも未だに管楽器の2人の名前は覚えてません。



このバンドのリーダーはベースのOle Morten Vagan。こういう編成のバンドでベースがリーダーというのはちょっと珍しい気がする。存在感有り有りのベースを響かせるのだろうと思っていたら、案外そうでもない。どちらかと言えば裏方に徹したかのような場面が多く、全体のペースをコントロール。自分の為のバンドという事ではなく、自分のやりたい音楽の為のバンドという事なのかもしれない。

フロントに並び立つ管楽器の2人。Mathias Eickというトランペット吹きとAtle Nymoというテナー&バスクラ使い。この2人、トリッキーな奏法は殆ど用いてなかった印象なのだけど、楽器の音色がめちゃくちゃいい。ジャズという音楽をやる為の音色を両者がわかっている、という感じ。フリーキーさを感じさせなくても現代的なジャズを演奏出来る、という手本の様な演奏。Nymoのサックスのラインは滑らかに多弁。そしてEickのラッパは、まるで60年代のアメリカのラッパ吹きの様な説得力溢れる音色。これはちょっと予想外に良かった。個人的にはAtomicの管楽器よりこっちの方が好み。

ドラムのHakon Mjaset Johansenは器用な叩き。そら、パワーと言う面ではPNLの様な圧倒的なものは無いけれど、だけどPNLには無い柔軟さと軽やかさ。見て、聴いて、楽しい。まるで外山明を思い浮かばせる様なところが何度もある。ふと、2年前のWiikのログを見ると、やはり同じ様な事が書いてある・・・。そこに付け加えるなら、中南米の音楽の様な音色とパターンが特徴的で、それはMotifの楽曲にそういうモノがあるからだけではなくて、そういう楽曲じゃないところでもそれを思わせた。

で、まあ、オレの好きなピアニストの一人と言ってしまってもいいWiik。この人の妙な冷静さがいい。つんのめるかと思わせてそうならず、クールなくせに妙に多弁だったり。左手の音の入れ方が絶妙だったり。痒いところを外したようにみせてしっかり掻いてくる感じ。このセンス、他のジャズ弾きには見つけにくい。



フロントの2人は明日さっさと帰ってしまうらしい。残りの3人は明日、Havard Wiikトリオとしてクラシックスでライブ。え?、明日は見る予定だったライブがあるのに何で被る? 悩む。明日の19:00ぐらいまでには決めないとな・・・。