欧州CL

今日はサッカーファンは、眠くて仕事にならんかっただろうと。学生は素直に机に顔を埋めていただろうと、思う。



という事で、今後は音楽ゼロのサッカーネタもログに。どういう比重になるかはわからない。これが最初で最後かもしれないし。



昨年のEUROでスペインが優勝するのを見ていて、色々思った中で特に考えていたのは、やはりバルサのある国の強さ。今のバルサに植え付けられた勝ち方はクライフの哲学の継承。それがオランダではなくてスペインである事に複雑な気持ちがありながら、やはりチームでボールを回し続けることによる攻撃的なディフェンスは、そのスタイルで勝つと圧倒感が増す。その結実が昨年のスペインの優勝だった。



今シーズン前のバルサは監督にバルサの英雄の一人であるグアルディオラを昇格させて、ロナウジーニョとデコを放出するという大改造。これが外れればグアルディオラは今シーズンどころか途中で解任されたかもしれないという中、サッカーファンの賞賛を浴びるような勝ちっぷりでリーガ・エスパニョーラと国王杯を制し、いよいよ残るは欧州CLのみという状況。得てしてこういう時は残念な結果になったりするのだけど、それをやり遂げてしまった強さ。今のバルサには圧倒的なサッカーのテクニックが備わっていた。



決勝の立ち上がりはマンUが点を取ってもおかしくない展開。シンプルに前にボールを運ぶマンUは、個々の出来が試合の結論に結びつくチーム。そういう強さが点を取れる寸前を演出しながら、ゴールを割れない。そうこうしているうちにボールが回りだすバルサ。完全に相手ディフェンスを崩したわけではないイエニスタのパスを、一度の切り替えしで大きなチャンスに変え、ゴールを挙げたエトー。身震いするようなあの切り替えしは、シーズン前にロナウジーニョ&デコと一緒に放出されそうになった選手による、シーズン最後の大きな働き。これで勢いが入れ替わり、マンUの単発的な攻撃は効果的に働く事が出来なくなった。

後半に入ってもチャンスを活かせないマンU。だけど、バルサも追加点が奪えず、何かが起きてしまえば立場が入れ替わりかねないこう着状態の中、唐突にも思えたシャビの完璧なクロス。あれはボール一個前でも後ろでもダメだった。そのクロスを体を伸ばしてギリギリのところでコントロールして見せたメッシ。この追加点でマンUは追いつく気力を無くしたはず。



個人的にこの試合の結果にはアンリの存在感が大きかったと思う。点を取るには至らなかったけれど、マンUにしてみれば鮮明な記憶であるはずの、あのアーセナルでのアンリの姿を思い出すことが難しくないプレーを見せ付けられ、メッシだけではなくアンリにも最大の注意をはらいながらディフェンスをしなければならなかったはずで、それにプラスしてエトーが虎視眈々とゴールを狙っている状況は、想像しただけでも苦難。



完璧なシーズンを終えたバルサ。だけどこの最良の結果は、来シーズンのチーム作りを難しくさせるよなあ、と。欲しいものをそろえてしまった事は、このチームはある程度完成されてしまったを考えられるわけで、だけどそういうチームを継続させる事の難しさは今までのサッカー界で見る事が出来る。三冠+クラブ・ワールドカップのタイトルまで要求されかねない。そこまでは求めなくても、それでもバルサファンは国内リーグとCLの連覇を期待するはずで、それに応えるためにグアルディオラは何をするのか?、しないのか? W杯の予選もあるし、大変だよな。