大友良英 3 DAYS "5つのトリオ":ENSEMBLES 2(休符だらけの音楽装置)開催予告イヴェント

二日目。



1stは、大友と名前しか知らなかった飴屋法水と『死人』の吉増剛造のトリオ。『死人』が個人的にはあまり楽しめなかったという事もあって、ライブの場で接する事で何か変わるか?、とか考えていた。

20:00開演予定なのに、吉益さんはその10分ほど前にステージに現れて、なにやら鉱物の様なものを床に落としているような音を発し続ける。開演時間に遅れるのがルールと化しているジャズ系のハコで、この始まり方だけでもインパクトは強い。

吉増さんは朗読がパフォーマンスのメインだと思っていたのだけど、それは勝手な思い込みで、殆ど動きのパフォーマンス。ビデオカメラ片手に、だけどそれで撮っているものが特にモニターに映し出される事も無く、口にテープを貼ってくっつけた風鈴(鈴?)を鳴らしながら、ステージ上をゆっくりと動きまわる。

色々と小物をいじる飴屋さんも、器楽的なアプローチは一切無い。ステージ中央に置かれたターンテーブルは大友の為のものではなく、飴屋さんの道具。コンタクトマイクを引きずりながら客席の通路を歩いたり、ブルゾンに仕込んだ爆竹のような火薬を鳴らしたり、体を張ったパフォーマンス。

大友はピアノをフィードバックさせたり、珍しく管楽器(?)を扱ったりしていたけれど、見せる要素も意識したベテラン2人のパフォーマンスの印象が強烈。音楽をインスタレーションという手法のパフォーマンスにしてしまっている状況よりも、今夜のベテランのやり方の方が個人的には好み。こっちの方が、ラジカルだと思う。



2ndは、大友と水谷浩章芳垣安洋によるフリージャズなトリオ。昨年の夏、ピットインで見れるはずだった編成。

前日に負けじと結構な入りだったので、この2ndは3人がステージの中央、それも前のほうになるべくこじんまりとして、ステージの空いた所にスタンディングだった客を少し座らせる配慮。だけどこれ、個人的には音に集中できる環境を失う事につながり、ちょっと残念だったのだけど、まあ、次回はあるはず。