酒井俊

先月もクラシックスで酒井さんのライブはあったのだけど、オレはBLANCの方を見に行ってたので行けなかった。だから今夜が今年初の酒井さんのライブ鑑賞。

面子は、ピアノに田中信正、ベースに水谷浩章、ドラムに芳垣安洋。この組み合わせはオレは初めて見る。



開演時間の5分前ぐらいに到着。果たして客入りは?と思ったら、なんていうか、寂しくない数というか、もしかしたらオレが見た酒井さんのライブでは一番の客入りだったかもしれない。とは言っても20人前後といったところだけど。でも、ちゃんと客がいる雰囲気が良かった。いつも、最低でもこれぐらいの集客は欲しい気がする。



まず、珍しく演奏された曲を整理してみる。

1st、いきなりタイトルがわからないけれど、「Misery」とか歌っている曲。次もタイトルは知らず、「Irish Rose」とか歌っていた。「English Rose」かもしれんけど。この2曲は酒井さんのライブでは何度か聴いている、アメリカン・スタンダードな雰囲気。軽い掴みといったところ。

そしてこれまたお馴染みの「ヨイトマケの歌」、「四丁目の犬」、「黒の舟唄」と続き、「Alabama Song」、「I Shall Be Released」で1st終了。

2ndは「Just Like a Woman」で幕を開け、次はタイトル知らず、曲もあまり聴き覚えの無い曲、そして次もタイトルは知らないけれど、聴き覚えはあり、「Tango」とか出てくる曲。その後「At Last I Am Free」、「El Derecho de Vivir en Paz」、「Amaging Grace」、「Hallelujah」で2nd終了。

アンコールは「満月の夕」。

抜けがあったり曲順が違っていたりするかもしれないけれど、まあ、気にしない。



今夜の圧倒的は2ndの2曲目、タイトルを知らない曲。水谷のベースの独奏に導かれて歌いだす酒井さん。歌い方がそれまでと違い、少し深い雰囲気。ジャジーとも言えるけれど、ブルージーではない。この後田中と芳垣が加わるのだけど、ここでの田中のソロが凄かった。ここ数年聴いたピアノで最も耳を奪われたかもしれない。ホントにカッコいいソロで、この人、そんなに知名度は無いのかもしれないけれど、フリージャズ的とも現代音楽的とも言えるその音に聴き惚れる。その田中に対する芳垣。今夜はシンバルよりもスネアの印象が強い演奏で、ここではそれにスピードと手数を増し、当然ちぎられない。この2人の音の応酬の間でぶれないように音を発し続ける水谷。嬉しそうに聴いている酒井さん。「これを聴けただけでも来た甲斐があった」とか、そういう言葉を使われる類の演奏だった。勿論他の曲も良かったに決まっているのだけど、あの演奏は突出していた。



アンコール前の酒井さんのMCが、これまでに聞いた事がないぐらいに長くて、だけどそれは「今日はお客さんは1人かもしれないと思った」という言葉から気付けるように、自身の今の活動に対する思いみたいなものが溢れる様に言葉になった結果だと思う。その活動の成果を2枚組みのCDとしてリリースするというタイミングであり、それを記念して来月クラシックスでは2daysがあるし、そういうもろもろが言葉になったのだと思う。

その来月の2days、13日と14日なのだけど、オレは14日はSDLXでTWPなので、2日目はいけない予定。だったのだけど、なんと14日は開演が16:00だという事がMCで発覚し、これは結局2日とも足を運ぶのか?、で14日はハシゴ?とか、そういう事を考えているところ。




ネドベドの今期限りの引退というニュースは、仕方が無い事とはいえショック。

ネドベドは、ダイナモなプレイヤーでありながら決定的な仕事もするし、美技も保持しているという、稀有な選手。サッカー・ファンなら誰もが知る選手だけれど、派手さは無いので一般には知名度が低いし、憧れられる存在ではないかもしれないけれど、いつもいて欲しい選手だった。ジダンの引退の時より、一つの時代が終わった気分になった。